エネルギー産業への投資ポートフォリオ形成の一助に!
★★★★☆
「将来のエネルギー需要を予測することは不可能だ!」
この格言を理論明快に綴った本書は、エネルギー産業への投資ポートフォリオを考えている個人・法人投資家にとても役に立つと思われます。
エネルギー需要を予測する上での重要なポイントとして、環境規制,エネルギー安全保障及び世界の経済成長の三点を挙げていますが、これらの要素が複雑に絡み合って将来の需要予測を大変不確実なものにしているという論法です。結論としては、将来のエネルギー需要は在来型資源と非在来型資源の価格動向に左右されることになりますが、このことを認識したうえで様々な資源ポートフォリオに投資している企業を見極めることが最も重要なことでしょう。
現在、環境関連の技術や再生エネルギーが注目されていますが、これらの動向についても素人でも分かり易く解説していますので、すらすらと読める感じです(私は二回読みました)。
本書に対して強いて注文をつけるとすれば、輸送分野のエネルギー転換についての考察が物足りなかったです。