期待はずれ
★☆☆☆☆
文章が冗長。
ex.1〜3章でペンローズに関係があるのは2割程度。
脱線が多すぎる
ex.ダイアローグと語り調の記述があるが結局本文で説明しなおしなので全て不要。
噛み砕いた表現をしようとして逆に意味不明な記述
ex.「光の平方根」
4章。ツイスターという概念があることだけしか説明していない。
それが量子物理学においてどのような意味があるかが全く触れられていない。
5章。引用と比喩しかない。
具体的および正確な記述がないため「〜の分野で役に立った」程度の情報量しかない。
結論。本書は理論の入門書ではなく、理論が存在するという紹介書にすぎない。
アンバランス&頭に残らない
★☆☆☆☆
丁度今読み終えました。理論物理学における量子重力論の一仮説に関する本です。
読み終えての感想ですが、正直対象にしている読者層が分からず、解説すべき箇所もちぐはぐの感を受けています。本の構成として、相対論(第1,2章)・量子力学(第3章)・ツイスター理論(第4章)とツイスター理論の背景に基づいて構成されているのは分かりますが、肝心のツイスター理論の解説が余りに少な過ぎます。
また、説明すべき内容もアンバランスです。本書の趣旨からすれば、主題のツイスター理論の内容はもとより、組みひも理論や他の量子重力理論との関わりなど、本書では軽く触れられてるに過ぎない当理論の可能性についてもっと真摯に取り上げないとツイスター理論の理解さえ得られません。特に、鍵となるスピノールの説明がなさ過ぎます。
全体として、「ツイスター理論」とは何なのか、漠然としたイメージしか残らず、そのイメージさえ本書を読む前のものと比べて大差はありません。
不要な脱線はせずに、もっと読者のことを考えて、責任ある著作をして欲しかったです。
この理論を解説した他書がない中で、非常に残念です。
ツイスターの入門書?
★★★★☆
ペンローズが提案しているツイスター理論の入門書という位置づけですが、ツイスターが出てくるのが全五章の四章からですので、前半の三章(特殊相対論・一般相対論・量子論)に比べて説明が不十分で、よく分かりませんでした。特に最終章は殆ど分からないです。
特殊・一般・量子論についてはこれまでも散々書かれていますので、著者も書きやすかったと思うのですが、ツイスターの同類本はないと思うので、著者のような第一級の科学ライターでも一般読者を対象とした記述は難しかったと思われます。
最も、定評のあるブライアン・グリーン「エレガントな宇宙」でも同じような印象を持ちましたので(これはツイスターではなくひも理論が後半の主役)、著者に帰する問題ではなく、一般層に量子重力論を理解させることはまだまだ困難ということでしょうね。
次回は、特殊・一般・量子論がある程度分かっている読者向けに、本書の四章以降を膨らませた入門書を期待します。勿論ペンローズその他の原書がありますが、あれは専門家向けですので...
脱線が
★★★★☆
特に物理を専門でやっていない人の知識レベルでも理解できるように工夫された文章であることはとても素晴らしいと思いました。
一部喩え話が発展して脱線しすぎる感じもあって、気になってしまうところもありましたが、「一般人向けの解説本」としてはよくできていると思います。
今の物理学のトレンドを大まかに把握できるので広く浅く知識をつけたいのならオススメかな。
なるほど〜〜
★★★★☆
正直今までペンローズの著作を読んでも今ひとつピンとこなかった、と言うより何を言っているのか理解できていませんでした。
これを読んでペンローズが何を言っているのかが、概念的なことや考え方のレベルでやっと理解することが出来ました。
私レベルが理解できるくらい平易にペンローズの業績を紹介してくれている凄い一冊です。それも数式を出さずに!
もちろんペンローズは数式を用いて大活躍をされている方ですから、数式を用いないことは、ペンローズが語っていることがズバリ!分かる本ではないということですし、数式を用いないで言葉だけで語っているのでその説明は厳密性を欠いていると思います。
それでも、ペンローズという大数学者(数理物理学者?)に興味を持っているのに、何も(!)理解できなくて寂しく、そして悔しい思いをしていた私のような人間には非常にありがたい本だと思います。
ペンローズに興味がありつつ踏み込めていない方には、相当にお薦めな一冊です。