Newton 対数の威力
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この電子書籍は,科学雑誌『Newton』2013年8月号に掲載された特集記事の電子版です。同じ号に掲載された他の記事は含まれません。記述は掲載時の情報にもとづいたものです。一部画像の削除等,紙版とは異なる場合があります。大きいサイズのカラーディスプレイをもつ端末でお楽しみください。この電子書籍は紙版と同一のレイアウトで固定されており,テキスト検索や辞書機能,ハイライトなどの機能は使用できません。端末を横向きにすると見開きページとして表示されます。
<本特集記事の内容>
世の中には,「同じ数をくりかえしかけ算する」という場面がたくさん出てくる。同じ数をかけ算するというのは,たとえば「2×2×2(2の3乗)」とか「10×10×10×10×10(10の5乗)」といったことだ。
そして「対数」とは,「log」を使って表記する,数学の“道具”である。たとえば「10を何回かくりかえしかけ算すると1000になるとき,10をくりかえしかけ算する回数は何回か?(10を何乗すればよいか?)」というのが,対数の考え方である。対数というのは,いってみればたったこれだけのことであり,基本的な考え方自体は決して複雑ではないのである。ただし,その“威力”は絶大だ。
対数は,計算を簡略化する道具として,16世紀末に誕生した。たとえば2の29乗のような手間のかかる計算も,対数を利用すれば一瞬で計算できるのである。電子計算機のない時代,対数は自然科学の発達のいしずえとなったのだ。そして今日では,対数は単なる計算の道具としてだけではなく,現代科学のさまざまな場面で登場し,世の中を支えている。対数の基礎から,深淵なる世界の入り口を目指して,冒険に出かけてみよう。総ページ数:26ページ