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仏教の神秘主義: ヨーガ哲学およびヒンドゥー教との関連において

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カテゴリ: Kindle版
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モニエルと言えば、誰でもすぐに思い出すのが梵英辞典である。世界のサンスクリット学習者で彼の辞書のお世話にならなかった人はいないのではないかと思う。それくらい重要な仕事を残した人物である。
そのモニエル・モニエル=ウィリアムズ博士(一八一九~一八九九)は、二代目のオックスフォード大学サンスクリット教授である。彼が一八八八年に哲学協会で行った講演を訳したのが本書である。この数年前に彼はナイトの称号を授けられ、健康問題もあって研究の第一線から離れようとしていた時期である。つまり博士の円熟期に行われた講演である。その気配は、内容のあちらこちらに見てとれる。実によく気配りがされているからだ。
仏教は理知的な宗教だと言われる。哲学的だと評されることもあれば、いや哲学そのものだと言う人もある。その仏教が、ヒンドゥーの神秘主義的伝統とどのように接点を持ち、どのように生まれ育ってきたのかを論じたのが本稿である。単に博士の浩瀚な知識を披露するだけでなく、自分の体験や同時代の見聞なども交えながら話を進めており、実に興味深い内容になっている。
しかし、本稿にはちょっとした時代的背景がある。それは、この講演の数年前に起きた神智学協会をめぐるスキャンダルである。私はオカルト方面にはまったく疎いが、ごく簡単な事実関係は「あとがき」に述べておいた。

目次
仏教の神秘主義
ヨーガ哲学およびヒンドゥー教との関係において
第一部 仏教の背景としての神秘主義
ボーディとヴェーダ
仏教修行において共同体が持つ意味
賢明で実践的な仏教修行
後期仏教における神秘性
ヨーガと仏教との関係
ヨーガが目指すもの
スワーミー・ダヤーナンダ・サラスヴァティの生涯
ヨーガシステムの二つの鍵-苦行と瞑想
断食その他の苦行
ミルが伝えた修行者の姿
苦行によって得られる精神浄化
瞑想の理論-神との神秘的合体の方法
『ヨーガ・スートラ』の理論
ブッダとヨーガシステムとの関係
死の瞬間におけるブッダの瞑想状態
サマーディ(三昧)と超越的パワー(神通)
ブッダは何を悟ったのか
ブッダと超能力との関係
仏教の静かな変容
教典に現れた変化の印
第二部 ヨーガ哲学の理論
カイバルヤのための八つの必要条件
第一の前提条件-五つの悪行為
第二の前提条件-五つの建設的義務
第三の前提条件-姿勢
第四の必要条件-呼吸
止息を習得した行者の驚異的な事例
第五の前提条件-制感
第六の必要条件-凝念、そして超能力
第七・第八の必要条件-静慮と三昧
仏教の三身説とヨーガ哲学
神智協会が伝える「アストラル」
アジア的オカルティズムと近代スピリチュアリズム
報告されている空中浮遊の事例
科学の役割-結語にかえて
訳者によるあとがき