ヴェーダーンタによる人間とその生成
価格: ¥0
本書はフランスの思想家ルネ・ゲノンによるヴェーダーンタ概説である。主としてシャンカラとヴィジュニャーナビクシュの所説に依拠して『ブラフマ・スートラ』の解説がなされるが、単なるヴェーダーンタ解説に留まらず、イスラームの存在一性論、老荘思想、キリスト教神秘神学、ユダヤ・カバラー等の伝統的諸教義との驚くべき対応を開示した画期的著作である。
哲学者シモーヌ・ヴェイユはルネ・ドーマルと共に本書を愛読した。また、J.ゴンダ、アーナンダ・クーマラスワミなどのインド学者もルネ・ゲノンの著作を自著の参考文献として挙げている。
フリッチョフ・シュオンなどの「伝統主義学派」あるいはペレニアリストの思想を理解する上で必読の重要著作。
目次
第一章 ヴェーダーンタに関する概論
第二章 「自己」と「自我」の根本的区別
第三章 人間の生命的中心、ブラフマの座
第四章 プルシャとプラクリティ
第五章 個体的変容によって影響を受けないプルシャ
第六章 個体的顕現の諸段階
第七章 ブッディあるいは上位の知性
第八章 マナスあるいは内的感覚、感覚と行動の十の外的諸能力
第九章 五つのヴァーユあるいは生命的諸機能:「自己」の鞘
第十章 存在者の全ての諸状態における「自己」の一性と本質的同一性
第十一章 人間的存在者におけるアートマーの諸位
第十二章 覚醒状態あるいはヴァイシュヴァーナラ位
第十三章 夢眠状態あるいはタイジャサ位
第十四章 熟睡状態あるいはプラージュニャ位
第十五章 アートマーの条件づけられない状態
第十六章 聖なる単音節オームによるアートマーとその諸状態の象徴的表現
第十七章 人間的存在者の死後の転変
第十八章 個体的諸能力の再吸収
第十九章 認識の諸段階による死後の諸条件の差異
第二十章 脈管と「太陽光線」
第二十一章 解放の途上における存在者の「神聖な旅」
第二十二章 最終的な解脱
第二十三章 離身解脱と生前解脱
第二十四章 ヨーギの霊的状態:「至高の同一性」
原注
訳注
訳者後書