東洋と西洋の秘教的伝統を探求し、その著作によってミルチャ・エリアーデやシモーヌ・ヴェイユなどの数多くの知識人達に甚大な影響を与えた思想家ルネ・ゲノンの主著。「現代世界の危機（邦訳「世界の終末」平河出版社）」の続編として書かれた本書は、プラトンからベルクソンに至る西洋哲学、カバラー、スーフィズム、ヘルメス主義、道教を論じつつ、現代世界への黙示録的警告を展開する驚異の書物である。

目次
序文
第一章　　質と量
第二章　　量的に特定された質料
第三章　　測定と顕現
第四章　　空間的な量と質的な空間
第五章　　時間の質的諸限定
第六章　　個体化の原理
第七章　　一性に対立する画一性
第八章　　古代の工芸と現代の工業
第九章　　匿名性の二重の意味
第十章　　統計の幻想
第十一章　一性と単純性
第十二章　秘密に対する憎悪
第十三章　合理主義の諸前提
第十四章　機械論と物質主義
第十五章　「通常の生活」という幻想
第十六章　貨幣の堕落
第十七章　世界の固体化
第十八章　科学の神話と通俗化
第十九章　歴史学と地理学の限界
第二十章　球体から立方体へ
第二十一章　カインとアベル
第二十二章　冶金術の意味
第二十三章　空間へと変容した時間
第二十四章　解体へ向けて
第二十五章　大いなる壁の亀裂
第二十六章　シャーマニズムと邪術
第二十七章　魂的な残存物
第二十八章　反伝統的活動の諸段階
第二十九章　逸脱と転倒
第三十章　　象徴の転倒
第三十一章　伝統と伝統主義
第三十二章　ネオスピリチュアリスム
第三十三章　現代の直観主義
第三十四章　精神分析の悪行
第三十五章　魂的なものと霊的なものの混同
第三十六章　擬似イニシエーション
第三十七章　予言の欺瞞
第三十八章　反伝統から逆伝統へ
第三十九章　大いなるパロディあるいは転倒した霊性
第四十章　　一つの世界の終末
原注