その著作によって宗教学者ミルチャ・エリアーデや哲学者シモーヌ・ヴェイユに甚大な影響を与えた思想家ルネ・ゲノン。彼の著作はアンドレ・ジッド、アンドレ・ブルトン、アントナン・アルトー、ジョルジュ・バタイユ、レーモン・クノー、ルネ・ドーマル、アンリ・ボスコ等の知識人達に熱心に読まれ、日本では中沢新一「精霊の王」、荒俣宏「世界神秘学事典」、巖谷國士「幻視者たち」、若松英輔「井筒俊彦」、松岡正剛「千夜千冊」などでゲノンの名が言及されている。本書は彼の最初の著作「ヒンドゥー教義研究のための一般的序説」から主として形而上学に関連する諸章を訳出したものである。「形而上学」および「秘教（エゾテリスム）」という用語をどのような意味で用いるかをゲノン自身が明確な言葉で述べた本書は、ゲノンの思想を理解するための最適の入門書である。
　
目次
形而上学の本質的特徴
形而上学と神学の関係
シンボリズムと神人同形論
形而上学的思考と哲学的思考
秘教と顕教
形而上学的悟達