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世界の歴史18 - ラテンアメリカ文明の興亡 (中公文庫)

価格: ¥2,000
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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コロンブスからフジモリまで ★★★★★
 表紙を見て、インカ帝国・アステカ帝国など、ヨーロッパ文明と接触する前のラテンアメリカ文明の話の比重が多いのか、と思いきや…概略は記されているけれど、著述の中心はあくまで「接触後」のラテンアメリカ史。
 
 正直、この部分は自分にとって未知の世界でした。高校の世界史でもほとんど触れられなかったし。
 その意味で、大変勉強になる本でした。
 白人社会中心になりすぎたり、先住民の悲劇を強調しすぎたりすることもなく、著述のバランスもとれていると思います。

 内容的には、ペルーが一番多く(スペイン植民地時代に中心だったから)、他にボリビア・コロンビア、アルゼンチン・ウルグアイ・パラグアイ、ブラジル、メキシコ、キューバなどの独立の経緯とその後の歩みを述べる感じです。
 スペイン植民地時代の歴史は、ヨーロッパ史とものすごくリンクしているのですね。そちらに興味があれば、読むと面白いと思います。私も今度、ヨーロッパ史の本と照合しながら読み直してみたいと思いました。
 独立後の歴史は上記のとおり未知の世界ですので、新しいことを知るのが単純に面白かったです。
 
 それにしても、巻末の参考文献に日本語の本の少ないこと!このシリーズは、一般の読者が手にしやすい新書・文庫などを積極的に参考書に入れてくれるので、通常は見たことあるような出版社が並ぶのですが、この巻は少ない……。
 ラテンアメリカには、明治時代から日本人が大勢入植しているし、現在もその子孫の方が日本に仕事をしに戻ってきて在日外国人のかなりの部分を占めているなど、関係の深い国と言えるのではないかと思うのですが。
 自分だって全然知らなかったわけですが。もっと興味を持ってもいいんじゃないかと思ってしまいました。
 
 独立史もすごく面白かったし、おすすめです。
 
 
あとがきだけでも読む価値がある ★★★★★
文庫版の世界の歴史シリーズの一冊。
今回は、コロンブスの新大陸発見以降から現代に至るまでの中南米の各国の歴史を概観する。
あまりにも長く、そして多くの国を題材にしているために記述が薄くなるかと思いきや、かなり内容は充実している。細かい出来事を追うよりも、中南米の各国の欧米の植民地時代の苦闘、そして独立、さらにはその後の経済的な困難まで、実にスマートにまとめられていて、読み物としてとても面白かった。
それらの国は、私にとってはなじみが薄く、遠い国、という感じだったけど、なんだか、とっても近くなったような気がする。
特に、文庫版のあとがきは、このシリーズの中でも秀逸。アニメ「母をたずねて三千里」をとりあげて、当時の国のありようをよく描いている。これだけでも読んだ価値があった。