読み終わった後は、顔がほっこりします
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あおくんときいろちゃんの物語。
ぱぱとままと暮らすあおくん。
彼は、隣のきいろちゃんと遊びたくて仕方ありません。
両親が出かけた日、あおくんはきいろちゃんの所に遊びに行きます。
二人は、嬉しくてくっつきあうと緑になってしまいました。
そこから始まる奇想天外で、心温まる物語。
児童向けなのに先は予想できず、独創的な展開で人とふれあう喜びがわかります。
偶然生まれた作品と言われていますが、完成度は高く、哲学的な一冊です。
ただ色で塗りつぶしただけなのに、どうしてここまで人間味あふれるキャラクターが描き出せるのか。
読了はわずか数分です。
その数分の間に、他人と共有する楽しさを体感できました。
子供だけでなく大人にも、楽しく倫理的な作品を読みたい方はぜひ買うことをお勧めします。
20年来のお付き合い
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今から約20数年前、高校時代の美術教師からこの絵本の存在を教えてもらい、色彩だけでストーリー展開できる発想の素晴らしさにある意味ショックを受けた作品です。
子どももパパもママもその大きさや形だけで上手く表現してあります。
自分が親になったら絶対に子どもにも読ませてあげたいと思っていた絵本です。
子どもの幼稚園では、園庭に咲いている花弁や絵具などで色水を作って遊んだりするので、青色黄色を混ぜると緑色になる!という発見の糸口にもなりました。
なぜ、そこに優しさを感じられるのか?
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登場人物は色だけのお話。
いえ、人物かどうかもわからないところがあります。
顔がなければ、手も足もない。
目も鼻も耳も口もない。
青い丸と、黄色い丸が主人公ですから。
でも、その信号の丸のような、あおくんときいろちゃんが、何かとてもかわいらしい、とても人間的で、いたずらっこのような感じに見えてくるから本当に不思議。
この絵本を読む人は絶対に想像力を使うわけです。
想像力を使わないと、話が成り立たないわけですから。
想像の世界では、どんなものにも命があって、中にはいたずらっこがいて、楽しいお話があって。
こどもたちはあっという間にその世界にリンクし、没頭できる。
この絵本を読むと、子供はあっという間にその世界の扉を開けて行くでしょうが、その扉には大人も入っていけます。
誰でも入っていける、柔らかく優しい扉を持つ絵本です。
外国の絵本の定番として、必ず登場する絵本
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外国の絵本のおすすめとしては、必ず登場する絵本。発行は1967年ですから、40年のロングセラー。レオ・レオーニが、孫たちにお話をせがまれて作ったという この絵本、とっても単純な そして とっても不思議な絵本なんです。白い画用紙の上にポトンと落ちた絵の具の丸。顔があるわけでも、手や足があるわけでもないのに、ページをめくるたびに 自由に動きまわって・・・。子どものときに出会ったことのある あなたも、もう一度、手にとってみてください。また違ったものが 伝わってくるはずです。
素朴で深い絵本ですね
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『あおくんときいろちゃん』の内容をちゃんと知ったのは
だいぶ前にパネルシアターで見た時です。
その時は演じてくれた方の表現力にも感心しましたが、
内容の愛らしさ、素朴さに心が温まりました。
そして絵本をよく読んでみると、遊び心のある素朴な物語の中に
幼い者への愛を感じました。
この世界に色が無かったら、どんなに味気ないでしょう。
幼い人に、こんなに易しく色彩の不思議と楽しさを語ってくれる絵本は
あまりないかもしれません。
藤田さんの訳も本当に見事ですね。
よけいな言葉は一つも無く、リズム感のある易しい言葉で表現しています。