南鳥島特別航路 (impala e-books)
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自然は容易な相手ではないし、地球はわれわれだけのための星ではない。
サハリンの雄大な白樺から八重山諸島の豊穣なマングローブへ、さらには日本最東端に位置する絶海の孤島、南鳥島へ。東西3000キロ、南北2500キロにおよぶ探査の旅は、日本列島の多様な自然を明らかにし、旅人はその先にこの星の姿を見る。その眼差しは、荘厳な大自然とそこに暮らす人々への深い畏敬に満ちている。
人類誕生の遥か昔より恒久に続く、大自然の厳かな営みを、鋭利な科学の眼と真摯な感受の視線で綴る12編の大紀行。
【目次】
五島列島のミニ火山群
内間木洞の暗黒体験
白蜂、炉端で聞く豪雪の話
八重干瀬、気宇壮大な潮干狩り
立山砂防百年の計
サハリン、北緯四七度の白樺林
乗鞍岳に降る宇宙線
白神のブナと秋田の杉
南鳥島特別航路
雨竜沼、湿原の五千年
対馬、大陸へつながる海の道
八重山諸島、マングローブの豊穣
あとがき
【著者】
池澤夏樹
1945年北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。以後多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。1987年『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『静かな大地』『キップをなくして』『カデナ』『アトミック・ボックス』など。自然と人間の関係について明晰な思索を重ね、数々の作品を生む。2014年末より「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」全30巻の刊行を開始。 http://www.impala.jp