インパラは転ばない (impala e-books)
価格: ¥0
大事なのは好奇心であると思う。
山には可愛いキツネ、地下鉄のホームではとびきりの美女。コロンボ空港には愉快なペテン師、イスラエルの街角では巨大なパフェ——。
研ぎ澄まされた視力と聴力、どこまでもスタスタ行ってしまう体力と方向感覚。
そんな旅の達人が、日常から非日常へ、過去から未来へ、地球のあちこちへと連れて行ってくれる。軽やかなエッセイ集。
【目次】
Ⅰ
うしろの正面
曲り角で待っている
遠いホテルへの道
サイクリストの憂鬱
船に酔わない体質
インパラは転ばない
サハラ沙漠の汽車ぽっぽ
路上に怪異のあらはるること
犬の散歩と男の散歩
イスラエルの巨大なパフェ
幼い二人の夢幻の旅路
メスアカムラサキの策略
コロンボ空港のペテン師
商売往来、あるいは往来の商売
スーパー・マラソン・バード
アームチェア・パイロット
コペンハーゲンの三時間
路上観察の三つの成果
アジア大陸への渡り方
ホモ・ツーキンスの観察
きみは何を踏んで歩きたい?
「通い小町」についてのおそるべき真相
セミ・ヌードでひとまわり
迷うなら山羊の道
家を出てまっすぐ北へ
Ⅱ
尾根には誰もいなかった
南洋芳香群島
一度行ったところだが
ストックホルムを歩く
世界最小の焼肉定食
買出し部隊
甲板の上の優雅な退屈
斜めに行く
夕焼けフライト
タラップを降りる
田舎の空港
憧れのスチュワーデス
週に一便
犬の友だちと拝ん所
好きな道 ニンフェウー街
亜熱帯への恋情
一番好きな朝食
ヤシ酒飲み
【著者】
池澤夏樹
1945年北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。以後多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。1987年『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『静かな大地』『キップをなくして』『カデナ』『アトミック・ボックス』など。自然と人間の関係について明晰な思索を重ね、数々の作品を生む。2014年末より「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」全30巻の刊行を開始。 http://www.impala.jp