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陰陽師―瘤取り晴明 (文春文庫)

価格: ¥520
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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   平大成(たいらのおおなり)と中成(なかなり)の双子は、都では有名な薬師だ。彼らには頬にひとつずつコブがあった。ある日、薬草を採りに山に入った大成は道に迷い、偶然鬼たちの遊宴に遭遇してしまうが、命がけで舞い踊った大成は鬼たちに許されて、邪魔なコブを取ってもらう。しかし、鬼たちは彼に半月後、もう一度踊るよう強いる。双子の危機を知った「陰陽師」晴明と博雅は、鬼たちのいる山へと潜入するのだった。

   本書は、夢枕獏の公式ホームページ上で連載されたものである。あとがきにもあるように、本書は小説というより、絵本として作られた。村上は、夢枕の「陰陽師」シリーズの装画をずっと担当してきた。夢枕は以前から村上と「本文と絵が等分に入った物語」をやりたいと思っていたという。

   民話「コブ取り爺さん」を下敷きにしたストーリーには、いつもの陰陽師シリーズにあるオドロオドロしさはない。むしろひょうひょうとした温かみのある雰囲気に包まれている。それは、ここに収められた村上の40点以上にもおよぶカラー絵によるところが大きい。彼が描く物の怪たちは、どれもひょうきんでかわいらしい。安部晴明や源博雅も、たちまちユーモラスなおじさんになってしまう。

   さらに、通常の単行本よりは薄く小さい本のサイズや、表紙の手触りが和紙のそれに似て、いつもと違う雰囲気を肌で感じることができる。(文月 達)

世界観がやっぱり、イイ。 ★★★★★
キマイラの円空山でのやり取りなんかの空気を感じさせる、飄々とした会話が、いい感じ。
グリム童話の映画化で、スリル満点のホラーを観るのと近い感覚の作品に。
短編小説で、寓話や童話をアレンジした作品も多いけど、夢枕獏にかかると、こぶとり爺さんはこうなるのか、やっぱりコウ菜るんや、という満足した納得が、嬉しい読後感。
絵本として読む ★★★☆☆
陰陽師の文庫版はいつも楽しみにしていたので、最新刊と聞いて飛びついたのだが・・・
収録作品が、一作のみというのがとても残念だった。
絵本のようになっているのだが、絵柄からして子供向けではない。
「大人向け」絵本なのだが、個人的には絵本にする必要は無かったのではないかと思った。
話の内容からして絵本に向いているのかもしれないが、それならいつもと同じ装丁ではなく別途で出版して欲しかった。
内容は相変わらずのやり取り。
いつまでも色あせないこの二人のやり取りは、いつ読んでも安定していて面白い。
待望の文庫化 絵本のような一冊 ★★★☆☆
 陰陽師、文庫では久しぶりの最新刊です。が、この本が文庫に落ちるまでに7年かかったというのはかかりすぎ。もうちょっと早く出してほしかったものです。たしかこのくらい前だと、SMAPの稲垣吾郎が安倍晴明役を演じていた頃でしょうか。
 さて。
 この作品は、今までの「陰陽師」シリーズのようにいくつかの短編が入っているのではなく、「瘤取り晴明」ただ一本だけが入っている本です。その代わり、村上豊さんの不思議な味わいのあるタッチのイラストが全編を覆い、夢枕獏さんの文章とあいまって、まるで一冊の絵本のような仕上がりになっています。
 ストーリーは、タイトル通りに瘤取り爺さんのお話がモチーフになっていて、平大成・中成という双子の薬師のお爺さんが百鬼夜行の鬼達の宴になりゆきで絡んでしまい、晴明に助けを求めるといういたってシンプルな筋書きです。幻覚作用などももちキノコを採りに山に入った大成がキノコ狩りに夢中になって、鬼達の宴会につい参加してしまいそこで踊りを披露する。その躍りの見事さに感動した鬼たちに瘤を取ってもらった大成は、次回も宴会に出て踊るようにと約束させられるのだが、、、、。
 今迄の「陰陽師」シリーズを読んでいたらより楽しめる登場人物などもゲスト的に登場いたしますが、これが初読みの方でも問題はない内容です。妖し達と安倍晴明、源博雅とのかけあいや宴の様子にどこか癒されます。
「本」を楽しむ本。カバーの色の重ね具合も味わって欲しい。 ★★★★★
宇治拾遺物語の「鬼に瘤とらるること」(瘤とりの翁)をもとにして、いつものように清明が難題を解決するのに友人の博雅がからむお話。ほろほろと二人酒を飲み、「いこうか」「いこう」と不思議の世界にでかけて行く、おなじみの展開ではありますが、ここでは最後にこれまでの幾つかの話にでてきた妖怪たちも顔をだし、それがまた微笑ましくもあります。

獏さんの「陰陽師」シリーズのカバーを描いている村上豊さんの絵の、おどろおどろのなかに滑稽味のある雰囲気が獏さんの文となんとも調和してよい雰囲気になりました。文と絵のバランス、がよいのですね。文の間に、情景の想像を膨らませる小さな絵が入る。時間の経過を表すような見開きの、たとえば夜明けの空のような絵が、文章の作った時間の流れを少し変える効果を出す。そして、これは「なに重ね」というのでしょう、表紙の裏に重ねられた色も、一冊を素敵にまとめています。この色だけみていても和みます。版の大きささえ、大仰に大きすぎず、絵が小さくて物足りなくもならず、と考慮されいるようです。一冊の本として、よく完成している本です。「本」を楽しむことができる本、というのもよいものですね。

このまま、絵巻物につくってみせて欲しい、とも思います。読者のわがままですが、実現したら嬉しい。置き場所に困るでしょうけれど。

いいですねぇ ★★★★☆
鬼に魅入られた人を、晴明と、源博雅が助ける話。今回は、特に源博雅、大活躍です。

いいですねぇ。ほんのりとした、昔話を読んでいるみたいでした。
また、挿画が話の雰囲気と大変マッチしていて、盛り上げてくれてます。

話の内容も、文章も、挿画も、出てくる物の怪達も、晴明と博優も、どこか、ずっと遠い昔に聞いた話を読むような、郷愁を誘うような。
大人のための昔話です。