本書の内容に関しては、著者も言うように、操作解説などの点で他の Emacs ファミリーと同様な点が多い。その意味で言えば既に Emacs を熟知している人に本書は不要だろう。ウィンドウズに Cygwin を導入し、初めて Emacs に触れるという人に向いている。
あるいは Gnus や中途半端な CVS の説明は一気に省き、基本操作と、本体に付属する Emacs Lisp パッケージの説明により注力した方が対象が広がったかもしれない。細かな操作方法や外部コマンドとの連携についてはいずれにせよウェブなどで調べることになるからだ。
尚、Emacs を使う以上、本書でも各種シェルコマンドとの連携について触れている。そしてその多くは Cygwin を前提としている。そもそも Emacs は Unix シェル環境があってこそ活きてくるものなので、その方針には賛成。「素」のウィンドウズに Meadow を導入する人は、Meadow(ないし Emacs)の能力の半分も実感することができないだろう。
小関さんはたしか手間のかかるMeadowのインストールを、Cygwinのネットインストールと同じように簡単な方法で行えるツールを作られたかただと思います。
Windows上でCygwinを使っている、または使おうとしているのであれば Meadowは非常に便利な道具であります(ほとんどどんなことでもできる)。が、使い始めは設定に苦労が伴います。小関さんの努力でインストールも簡単になりました。その功労者が書かれた書籍でMeadow/Emacsを導入してみてはいかがでしょうか。
Meadow/Emacsでは本当に多くのことが実現できるのですが、多くの方はその一部の恩恵にあずかっているだけだと思われます。なぜなら販売されているソフトと違って、多くの機能を理解し取り入れるには時間がどうしてもかかってしまうのです。
一つ一つの機能が多くの有志の方に作られた結果でありますが、この書籍のように時々は機能をまとめた書籍が出版されるとユーザーにとっては大変ありがたいです。
星が4つなのはもっと薄くしてリファレンス的に使えると良かったという個人的な希望と表紙のヌー(?)の写真がぶれ気味な理由が良く分からないところです。
またこのサイズなら逆にもっといろんな使い方を盛り込めたかな、とも思います。
内容としては上級者には物足りないかと思われますが入門としては充実していますし,入門だけあってなかなか解りやすく,「完璧とは言えないが誰にも文句は言われないレベル」までは面倒見てくれるといった感じです.また,単純にemacsのリファレンスとしても結構便利です.
先にも書いたようにターゲットは非常に絞られてくると思いますが,該当する方は持っておいて損は無いかと思います.また,パソコンで何かをガンガン書くという方もこの本でMeadow/Emacsに挑戦してみてはいかがでしょうか.ただし既にWindowsでMeadow以外を用いたTeXの環境を構築している方はわざわざMeadowに乗り換えることも無いと思われますので,この本もあまり必要ないことになります(YaTeXに関する記述もほとんど無いので).興味本位で読んでみるのにはなかなか面白い本だと思います.
微妙な書き方をしてしまい申し訳ありませんが,Meadowを扱った本は投稿時点では他にありませんし,内容も悪くはありません.しかしMeadowがフリーであるにもかかわらず,この値段でCD-ROMが付属しない,つまり本を読んでもネットに接続できる環境が無いとMeadowを使うことができないというのはいかがなものかと.
また,フォルダ名や設定の文字列に筆者の個人的な具体例を用いる箇所が多くうざったいどころか余計な読み替えが必要な(中級者じゃないと厳しいかもしれない)ところもマイナスです.
その点を考慮して星は3つに降格です.