注目したいのは、頻繁に登場する簡単なクイズを解くことで、ゲーム理論を徹底的に理解し、応用する力が身につく点。株式投資や戦争、将棋、ピッチャーとバッターなどの例を通して、「ミニマックス戦略」や「囚人のジレンマ」「ナッシュの均衡」などを学ぶことができる。もちろん、著者がパズルの大家だけに、クイズの内容も興味深い。
クイズと解説でカバーできなかったトピックに関しては、「豆知識」と称したコラムで解説されており、ここでゲーム理論の発展の歴史についても大まかに理解することができる。
ゲーム理論の解説書は数多くあるが、本書ほど簡潔にまとめられたものは珍しい。教養として押さえておきたい人や、日常のビジネスシーンで活用したい人には、うってつけの1冊と言えるだろう。(土井英司)