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ひな菊の人生 (幻冬舎文庫)

価格: ¥480
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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よしもとばななの魅力が詰まった短編作品 ★★★★★
ノスタルジー、家族、恋心、死生観といった、よしもとばななの個性が凝縮されていて、とてもいい作品だと思う。
ダリアとの思い出は、自分が幼いうちに別れた友達を、自然の風景とともに思い起こさせてくれる。

焼きそば屋(お好み焼き屋)さんで働く主人公のひな菊が、健気でかわいらしい。黙々と焼きそばを焼いている姿をつい想像してしまう。
奈良美智の挿絵は、時に愛らしく、時にグロテスクなかたちで世界観を補ってくれる。
作品としては短くまとまっているけれど、ルーズに感じる部分が少なく、じっくり一字一句を落ち着いて眺めたくなる。そうしている自分が心地よくて、時間がゆっくりと流れる。
文庫本であるが、挿絵はカラーで紙質がいいのも好印象。何回も読みたくなる本。
絵がよい ★★★★☆
著者自身も跋文で「奈良さんの絵に引き上げてもらった」と
書いてあるように、奈良さんの絵と見事にコラボしている感じ。
もはや挿画とはいえないかも。

中身は主人公がひな菊だったり、親友がダリアだったり、
何だか少女マンガのような感じ(ネーミングのみ)。

いつものように、主人公と死がとても身近になって
なおかついろいろな人が亡くなるのだけれど、
主人公も言っていたように、人間はみな誰もが死ぬのだから
それほど大それた悲劇と捉えなくてもよい、というような言葉は
ちょっと救いになりました。

ひな菊の淡々とした日々、高春との今後、
いろいろな意味できっぱりしてなくて
含みのあるかわいらしい物語、という印象を受けました。

このまーったりとした調子がよいですな。 ★★★★☆
 書評書こうと思って2回読んだんだけど、2回目は泣きそうだった。

 小さい頃に両親共に失ったり、仲の良い友達がいたり、仕事が焼そば焼く事だったり、いろんな人の家に居候したり、そんな女性が自分の人生を淡々と語ってる小説でした。
 大きな悲しみがあると、小さな悲しみって余裕を持って接する事が出来る。そんな感じの淡々とした寂しさがみょーに伝わってきて、2回目読んでいるときは、ジーンときてしまった。

 奈良美智さんの絵も妙になじんでいる・・・。怖いくらいに。

 悲しい時に読んだら「凹んでばかりいずまったりいこー」と思えるだろうし。調子の良い時に読んだら「調子に乗らずまったりいこー」と思えるすばらしい本だと思うのでした。
淡々と語られる半生 ★★★☆☆
奈良美智の挿絵が物語にスパイスをきかせ、ひどくこちらの心情を掻き乱す。
主人公のひな菊が幸福なのか、不幸なのかはわかりませんが、彼女のあり用を、僕は羨ましく思います。

ただ、全体のページ構成は少し不満が残る出来でした。