タヒチアンレストランで大好きなウエイトレスの仕事を長年やってきた主人公は、母親が亡くなり、多忙で体調を崩したり何やかやで、休暇を取ってタヒチに一人旅しています。
滞在先で回想するのは日本を出るまでにあったいろいろなこと。
亡き祖母や母のこと。恋する人への迷いと後悔。将来への不安。
仕事好きな真面目な女子に、疲れたときにお勧めしたい本です。
東京で世話する庭木や犬猫の生命力、愛情。
タヒチの海や魚たちの作る、美しく素晴らしい世界。
人間の心の美しさ、強さ。
丁寧に生きること。心に忠実に、素直さを持って。
などなど、ばななワールドが展開されている、と感じました。
巻末にはタヒチ旅行の写真と日程表つき。
作品中にも登場する「レモン色の小さなサメ」の写真もあります。
原マスミさんの表紙と挿絵も雰囲気があり、素敵です。