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精神と物質―意識と科学的世界像をめぐる考察

価格: ¥1,995
カテゴリ: 単行本
ブランド: 工作舎
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私たちは鑿でもあり像でもある ★★★★★
「私たちは鑿でもあり像でもある」という言葉が印象的だった.自分たちの意識を形づくるのは自分でありながら,形づくられている意識そのものでもある.身体に関しても同じことが言えるだろう.だから,精神と物質は可塑性をもったひとつの「かたまり」なのでしょう.その意味では,「わたしたちの脳をどうするか―ニューロサイエンスとグローバル資本主義」のカトリーヌ・マラブーとつながっている話だと思う.
エッセーという感じを払拭できない ★★★★☆
シュレーディンガーといえば波動方程式があまりにも有名ですが、晩年は意識の科学ともいうべき部分に非常に関心を寄せた人物である。脳科学者でも、その後年は意識・心の科学に傾倒する人が多いが、あくまでサイエンス的な見方を脱するものではないことが多い。一方でこのシュレーディンガーの意識論は、宗教を含めた思想的観点の色濃いものとなっているのが他の意識論と一線を画する。
本書からも読み取ることができるが、シュレーディンガーの意識論の根底には東洋哲学の思想が根強く息づいている。特に、時間・空間を主観的な観点から考察し、それを意識問題と比較するというやり方は、インド哲学、もしくはイスラーム哲学の本質論に近いものがある。そういった意味で、他所にはない独特の意識論が展開され興味深い。
しかしながら、記述範囲が広くなりすぎているわりには紙面をそれほど割くことをしていないため、思いつく考察を書き散らしたという感を払拭できない。どちらかといえばシュレーディンガー自身が普段から考えていたことを書き残したエッセーという感じである。したがって、サイエンスを求める読者には、シュレーディンガーの著作ということを考えるとやや不満の残る点もあると思われる。そういうことも含めて星4つとした。
思想家としてのシュレーディンガー ★★★★★
 シュレーディンガーは若い頃ショーペンハウアーやインド哲学に傾倒しており、後に波動力学を生み出す要因になったといわれる。もちろん彼自身学んだことを鵜呑みにせず、彼流の理解に達した。
 『精神と物質』では彼の思想家として一面を見ることができる。その中でインド哲学の影響や現在話題になっている「脳工学」の原点(もちろん彼はそんなことを意識していなかったと思うが)を感じられると思う。
 本書でシュレーディンガーは「宗教」と「科学」について言及している。科学者だけでなく宗教家にも読んで欲しい。