青年の更生
★★★★☆
混沌に陥った当時の社会影響と、愛と信仰(信仰への憧れ)を通して更生を成した青年の物語です。
時代背景が我々では想像も付かないようなドン底にある上、青年が容姿に優れ、非常に賢い、将来有望であること。貧困にあるとはいえ一般的には(外的に見れば)恵まれている部類に入る。特殊な性格の持ち主であること、を含んでも尚、共感を覚えずにいられない。人間の本質に迫った作品なのだからでしょう。
我と現実と理想と傲慢と誠実と、もうずっと葛藤してきた主人公の病状は慢性化し、どうやったって改善の余地はないように思えるのですが、
たった七年間の牢獄での暮らしの中で、ソーニャの献身に触れ、彼女への愛を確信し、
割りとあっさりと改心してしまいます。筆者自身獄中生活を体験したことから、このことは非常に象徴的です。(この経緯に信仰が深く絡みます。また作者が無神論者であること。つまり信仰にたいし否定の立場にたった上で、客観的な信仰を語るのですから、興味深い)
自分は出所を終えた時、きっと今ある考え方とは違ったものになっているのだろうか。
主人公は作中でこの旨のことを何度も思案しています。
物語はもっとずっと複雑で ほんの一部分に触れただけなのです。
悪いことをして平気でいる人の精神が病んでいる
★★★★★
悪いことをして平気でいる人の精神は病んでいる。
精神が病んでいると、どんなに健康な体でも、思うようには動かなくなる。
自分が思うように動くのではなく、他人の思惑でしか動けなくなることが、
悪いことをしても平気でいられる人の精神構造なのだろうか。
人が悪いことをしたときには、社会的な手続きに従って、粛々と対応されるのがよいのだろう。
逃げれば逃げるほど、追いかけてくるものがあるように感じていくのだろう。
自分で自分の影におびえていくのかもしれない。
罪を犯した人への、罰のあり方を考えさせられる作品です。
罪を犯した人は、それだけで、精神的にはもう罰も受けているのだという。
重苦しい本
★★★★★
人殺しがなぜ赦されないのか。神が赦さないからか。神はいるのか。神が存在するというしるしはどこにもない。神がいなければどう生きればいいのか。神がいなければ人殺しをしてもいいのではないか。そもそも人殺しを赦さないのは誰なのか。社会か、それとも自分の心か。そもそもなぜ生きるのか。
とても重苦しい内容で、私の心に上記の疑問を落としこんでいったために苦悩し、40度の熱が出てもがいて苦しみました。その熱も疑問の答えを見つけた翌日には引いてくれましたが。心が病気にかかったことのない人には、とても重い内容だと思います。もしかしたらこの本の重さをスルーできるかもしれませんし、逆に重すぎて耐えられなくなることも考えられます。軽はずみに手を出していい本ではないはずです。哲学を追う人は読むべきだと思いますが、大衆が読むべきだとは思いません。
複雑
★★★★☆
かの有名な「罪と罰」。
やむを得ない事情から殺人を犯してしまった青年が、その罪の意識に苛まれる話
だと思っていたが、それだけではなかった。
もちろんその葛藤の描写もすごいのだが、
それ以上に「なぜその殺人を犯してしまったのか」の動機付けが見事だ。
非凡人に対する漠然とした想い。
自分は特別なのではないか、という誰にでもある傲慢さを切り抜いている。
これによってテーマがより複雑に、より多面的に、より深くなっている。
登場人物や出来事が多すぎて、一回読んだだけでは把握しきれない。
また時間をおいてから、読みかえしてみようと思う。
All You Need Is LOVE.
★★★★★
私もいつか私のソーニャに出逢えるだろうか…
私もいつか誰かのソーニャになれるだろうか…
難しい解釈などたぶん必要ない。これはソーニャの愛の物語なのだ。
受領した本は外観も良く満足ですが、未読…
★★★★☆
受領した本は外観も良く満足ですが、未読ですので内容の評価はありません。
対応が早くて、良いです。
★★★★★
対応が早くて、良いです。