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海のある奈良に死す (角川文庫)

価格: ¥660
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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火村英生が抱えている恐怖 ★★★★☆
火村英生シリーズ4作目。人魚伝説が持つ神秘的な印象と,あくまで現実的に即した歴史・文化が何か絶妙に溶け合っていて不思議なロマンを
感じさすストーリーになっていると思う。
また,謎解きロジックの方も力技ありの精巧さありで申し分ない。それらが渾然一体となった複雑・重厚,良い意味で茫洋とした読み応え。

それは,普段は泰然自若としていて何事にも動じない火村が,フトした時に垣間見せる何重にも錠をした心の扉の奥に象徴されている気がして
ならない。。
良い箇所とそうでない箇所のまだら模様の体 ★★★☆☆
有栖川有栖が、12年間勤務した会社を退職して専業作家となって初めて書いた小説。
初出は双葉社の『小説推理』の1994年11月号から95年1月号の3回に分けて連載したものです。連載したことによるのかもしれませんが、ラストまで一気呵成に書かれたというよりも、少し厚く肉付けしながら約400ページのボリュームになった、という感じでしょうか。

『海のある奈良』と呼ばれている福井の小浜で殺人がおこるわけですが、本質の推理小説としてよりも、小浜であるとか、キーになる某所であるとか、それにまつわる興味深い伝承などの蘊蓄が載せられており、そちらに興味があるかないかでこの小説の評価も変わってきそうです。多方面の情報が載せられていますので、読み物としての質は高いと思いました。
そのあたりはよく調べられていますが、『海のある奈良に死す』という書名にひかれて購入した当方にとって最後まで消化不良であったことは間違いありません。その通りなのですが、何だか、はぐらかされた感じを受けました。それも本格推理小説として成り立たせるためには必要だったのでしょうか。
ローカル色たっぷり ★★★★☆
殺されたのは、著者の作家仲間で、探偵役は著者自身、キーワードは「海のある奈良」、という作品。
軽妙な文体で綴られていて、読みやすいが、トリックは割合手が込んでいて、面白い。
作品全体に、適度に関西的ツッコミがあって、うまく物語に引き込まれる。

物語の舞台は、主に近畿だ。
私は奈良県在住であるが、近畿に土地勘があるので、分かりやすかった。
しかし、ローカル色たっぷりなので、逆に、土地勘が無い方の方が、旅情を感じるのではないかと思った。

本作品の様に、著者自身が作品の主要登場人物になる事は、長短色々な面があると思う。
殺されたのも作家、登場人物である著者も無論作家、出版関係者の登場人物も多い。

そうなると、我々読者は、フィクションである事件の部分以外は、ほとんどが著者の実像なのでは?と思ってしまう。
出版関係の裏話も盛り込まれていて面白いのだが、著者自身に対するイメージが固定してしまう。
しかし、著者も歳も重ねるし、著者自身の境遇も変化してゆくはずで、固定されたイメージと実像が解離するのでは?
などと、下世話な事も考えてしまう。

こんな具合に、作品には多彩な側面があって、物語の本質以外の部分にも、楽しみが多い。
読者を退屈させない様、色々な工夫が盛り込まれている。

気軽に付き合う事の出来る一冊だ。
あの密室トリックって!!? ★★★☆☆
火村とアリスの会話のテンポは相変わらずいいです……が、
あの密室トリック、いいんでしょうか??!! ええええ!!!?って思いました…。

 アレは科学的に実証されてないんですよ。
そもそも心理学では実験数が少ない分野で、不完全な部分が多いんです。
きちんとした論文もないし。
で、実験した人自ら実験結果が正当性のあるものでないと認めています…… 

 で、思い出したんですが・・・
 「46番目の密室」で火村が血液型診断は統計学上正しいみたいなことを言ってましたが、アレも違います。
血液型診断は日本だけです。
血液型診断は日本人で一番多いA型に得なようになってるし、根拠はナイ遊びです。外国では通じません。 

 でも、この本でいいのは「人魚」を取り巻く不思議な雰囲気ですね。
密室トリックも納得いきませんが、アイディアはなかなか楽しいです。 それで星三つです。
読むのに苦労しました ★★☆☆☆
有栖川有栖の作品はすごく好きです。でもこの作品はちょっと読んでいて疲れました・・
注釈というか、話がそれる部分が すごく多い。
伝説に関する説明文とか、登場人物の比喩に対する説明文とか
肝心のストーリーとは関係のない(関係ないというと言い過ぎですが)部分が多すぎて
読んでいてとても疲れました。
長編作品ですが、もっと短くなったんでは?と思ってしまいます。

前に別の作家さんの作品で、編集者から作品が短すぎるから 注釈をどんどん入れて どんどん作品を伸ばすことがあるというのを 読んだことがあるのですが、
まさにそれだな と思いました。