良い作品だと思います
★★★★★
叙述トリックで有名な作品をさがしていて評価が高かったので呼んでみました。
「アクロイド殺し」「殺戮にいたる病」「十角館の殺人」と同様の理由で読みましたが、
個人的にはこの作品が一番しっくりきました。
っというか、断トツでした。
読み始めたらとまらなくなったのは久しぶりの経験でしたね。
六時間ほどぶっ通しで読み、幸せ気分でしたよ。
叙述トリックものはストーリーがつまんなくなりがちですが、
話の流れ自体も非常に興味深く楽しめました。
期待し過ぎた
★☆☆☆☆
私はあまり叙述トリック物を読みません(面白かった本も、そうでない物もありました)。そこで、評判の良い本書に挑戦したのですが。。。楽しめませんでした。まず、事件が展開する前半で、感情移入ができませんでした。また、謎解きの章も読みづらかったうえに、謎が解明されたところで「そんなものだよな。。。」という程度でした。
もしかすると”すごい叙述トリック”と知らずに読んだほうが、素直に驚けるのかもしれません。
起伏は壮だが平衡を欠く音響
★★★☆☆
を聴いてる時のような、めくるめく心地に浸れる一冊であり、そうゆう作家自身ですよネ。
別に譬えれば子供の絵日記みたいなもん。日々進むがテーマはさして変わらず、なのに昨日
と今日ではいちいち描く事が違うというネ?!......
それ故、愛くるしい魅力もあるが、どこまでも歯止めが利かず箍が外れた描写になりがち
だったりする訳です。
あ、そおの僕は所謂所の、叙述トリックについて語ってる訳なんですが、これは厄介な代物で
論理的に推理小説を愉しもうと思う人が本作を読むと、あまりの低脳さ加減に怒って本を投げ
つけたくなる心境になるって事なんですねツマリ。
だから僕も人にミステリをかしてと云われても、この手のタイプはあまりチョイスしないんで
すネ。
つまるところ、どんどん食わず嫌いして好きな人だけが読んだら好いんですネ。(何故か知らぬが
叙述を叙述と語るだけでネタバレだなんて大仰ぶる奴がいるらしいがあんまり卑屈すぎるだろ。。
いや、寧ろ書き手に失礼だろ。。)
とりあえず、この一品の前後半の加速度と、対比する中盤のねっとり加減や、何だかんだの
どんでん返し連荘は実に見事なもので、コレを読んでみて自分自身が叙述トリック系統を好き
になれるかどうか試してみたらいかがでしょう?
叙述トリックの名作
★★★★★
叙述トリックは、本来その作品が叙述トリックであると暴露された瞬間にその価値が無くなってしまうものである。
であるからして紹介には細心の注意を払わねばならず、具体的なことを言えずに「これは面白い」「素晴らしい」といった無難な発言に必然的に留めさせられるものである。
例えば○○とか、××とか……このようにタイトルを記述することすら躊躇させられる、それが叙述トリックである。
そんな中、日本にたった一人だけ叙述トリックであるということを憚らずに公言できる作家が居る。
それが折原一。
彼の作品はその多くが叙述トリックであり、叙述トリックであるという事前情報を持っていても更に騙される、そんな名作です。
最近の作品にはあまりにも捻りすぎて訳がわからなくなっているようなものもありますが、本作は見事な叙述トリックを決めておきながら綺麗にまとまっています。
皆も一緒に騙されましょう。
館モノの本格推理に飽きた人へ
★★★★★
折原氏の作品のほとんどは叙述トリックという手法で描かれている。この作品も叙述トリックで最後の1ページまで真実がわからない。そして、この手の折原作品は映像化は無理である。小説というカタチでしか
楽しめないのである。このトリックには賛否両論あると思うが、一読すれば目から鱗が落ちるだろう。これまでの本格推理とは全く別物である。乱歩賞を逃した作品ではあるが、騙されたと思って読んでほしい(本当に折原トリックにだまされるが)。