蒲公英草紙 常野物語
★★★☆☆
常野一族というものがいまいちよく理解できなかったためか
あまり面白い話には思えなかった。
ラストは悲しすぎて印象には残ってしまったが。
海岸に打ち寄せられた貝殻のような
★★★★☆
常野一族の2冊目です。「光の帝国」を読んだ後に読むと良いですね。
久しぶりに本を読みながら泣きました。
明治維新後、日本が大きく変わりつつある中、田舎に住む一人の女の子が、地域の中心となる一族と、常野一族の人々との関わりを通じて、今後、日本人はどうあるべきかに気付かされていきます。
人々の生活が「変わる」ことへの不安。希望の裏に隠された様々な思い。
21世紀を生きる者としては、19世紀末の日本人が、それも歴史に名を残さない普通の人々が、どんな風に変化を受け止めていたのかは、正直、想像もしたことがありませんでした。
田舎に住んでいる子どもでも、何かを感じていたのかも知れません。それは、今、中国やインドなどのアジア地域で起きていることなのかも知れません。
女の子は、何かを知りたいとか、まとまった考えを持とうとかしているわけではありません。
でも、周囲の大人たちや、常野一族の人々を通じて、大切なことに気付かされていきます。
それは、一言で言えば、日本人のアイデンティティということだと思います。
しかし、時代の波は、そんな大切なことや、人々の思いをいとも簡単に飲み込み、大きなうねりの後に、昔の日本人が予想も出来なかったところに日本を連れて来ました。
この本は、波に飲み込まれた貝殻が海岸に打ち寄せられ、ひっそりと転がっているように、当時の人々の思いを描いています。
貝殻を拾って見つめていると、遠いところと繋がるような気持ちになりますよね。
フィクションですが、そんな気持ちを感じさせてくれる本です。
これは少し毛色が違う
★★★☆☆
光の帝国に続く常野一族シリーズの本です。
光の帝国のミステリアス且つスリリングな部
分に惹かれてファンになったのですがこれは
なぜか毛色が違いました。時代がシリーズの
初期だけにのんびり又は古きよき時代といっ
たイメージになっているのかもしれませんが
前作に比べて物足りなさを感じさせる作品でした。
ほっこり、でも最後に涙
★★★★☆
『光の帝国』に続く常野物語第2弾です。
『光の帝国』で出てきた春田一家のご先祖の話、
常野一族以外の家に保管されている書見台にまつわる話ですが
続きではないので『蒲公英草紙』から読んでも問題ありません。
また、『光の帝国』の様な短編集ではなく長編1話です。
語り手である峰子が常野ではないので
常野一族の能力は要所要所で出てくる程度ですが
もちろんそこはお話の重要ポイントとなっています。
ただ、『光の帝国』の様に様々なタイプの常野一族が出てきて
その能力に驚いたり感心したりしていた私にとっては
短編集の方がメリハリがあって好きでした。
続編としては‥
★★★☆☆
常野物語三部作の2番目で、「光の帝国」の次にくる作品です。「光の帝国」が面白かった、という人が期待して読むと、肩透かしを食らいます。
「光の帝国」については作者自身あれこれ手を広げすぎた、というようなことをどこかに書いていたと思いますが、「蒲公英草紙」は対照的に地味な作品です。常野という存在に作者の倫理観を描いているでしょう。それは美しくはありますが、人によっては理解しかねるかもしれません。