語り手が、ちょっと変わっている。ゲイ(前世は女)、精神年齢20歳の小学3年生(男子)、知能指数が異常に高い小学2年生(精神年齢は普通、女子)、やせる太るを自在に繰り返す女子高生、お父さんの会社で副社長をする女子中学生。もう二十年近く前に描かれた作品なんだけど、新鮮な感じがするのは、こういった視線の斬新さのためか?そう、小道具が古いのに(なんか、ファッションとか言葉遣いとか、随所に80年代を感じる)、何か新しい。『ハッピーマニア』とか『NANA』みたいな、ふつーの生活しててふつーのこと(要はふつーの恋愛)に悩む登場人物っていないんだよね。
斬新さと古臭さと、あともうひとつは、なんというか、タイムリーな要素がここにはたくさん詰まっている。2005年の日本で語られているような現象が、見られる。家庭の空洞化とか、NEET の話とか、Venture起業とか、なんちゅーか、そういう今の流行りっぽいことが詰まっているのね。要は、新旧現が全部一緒に詰まっている感じなんだな。これってちょっと変な感じだ。ペレとマラドーナとベッカムがバレーボールしてる感じ。
もしかするとこういうのには中毒性があるのかもしれない。
早速借りた二冊目にとりかかります。