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誰彼 (講談社文庫)

価格: ¥730
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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ハードパズラーの奇蹟的な達成 ★★★★★
新興宗教《汎エーテル教団》の教祖・メンターこと甲斐辰郎のもとに、
「異来邪」と名乗る脅迫者から、奇妙なメッセージが送られてくる。

綸太郎は犯人探しをはじめるが、瞑想のため、地上八十メートルにある塔
最上部の密室状態の部屋に籠った甲斐が、脅迫状通りに姿を消してしまう。

まもなくして、西落合のマンションから、甲斐と思われる首無し死体が発見される。

捜査線上には、甲斐と生き別れた顔が瓜二つの双子の
弟、安倍誓生と安倍兼等が浮上してくるのだが……。

果たして、首無し死体は甲斐なのか?
そして、犯人は何のために首を持ち去ったのか?



当初本作は、偏執的に推理の試行錯誤をするコリン・デクスターの手法を借用することで、
クイーンの《国名》シリーズの再活性を試みるという構想に基づいて書かれていましたが、
最終的には、誰もが臨めない、前人未踏の境地に到達したといえます。


三人の「同じ顔を持つ男」と、甲斐に施されていたという人工内耳の手術の跡。

繰り返される推理の過程で、容疑者たちは三兄弟を軸に「首無し
死体」、「犯人」といった役割を、目まぐるしく交換していきます。


膨張していく推理、酩酊感をもたらすどんでん返しのつるべ打ちに、
「誰が誰でもええわ」と思う人もいるかもしれませんが、本作における
複雑かつアクロバティックな論理展開は、パズラーとして奇跡的な達成
といえます。


著者と同じく、クイーンを信奉する作家・有栖川有栖氏をして、
「クイーンの傑作数本分に匹敵する凝集度」と言わしめたのは、
伊達ではありません。

圧倒的なまでのロジックの凝縮度 ★★★★★
新興宗教《汎エーテル教団》の教祖・メンターこと甲斐辰郎のもとに、
「異来邪」と名乗る脅迫者から、奇妙なメッセージが送られてくる。

綸太郎は犯人探しをはじめるが、瞑想のため、地上八十メートルにある塔
最上部の密室状態の部屋に籠った甲斐が、脅迫状通りに姿を消してしまう。

まもなくして、西落合のマンションから、甲斐と思われる首無し死体が発見される。

捜査線上には、甲斐と生き別れた顔が瓜二つの双子の
弟、安倍誓生と安倍兼等が浮上してくるのだが……。

果たして、首無し死体は甲斐なのか?
そして、犯人は何のために首を持ち去ったのか?



当初本作は、偏執的に推理の試行錯誤をするコリン・デクスターの手法を借用することで、
クイーンの《国名》シリーズの再活性を試みるという構想に基づいて書かれていましたが、
最終的には、誰もが臨めない、前人未踏の境地に到達したといえます。


三人の「同じ顔を持つ男」と、甲斐に施されていたという人工内耳の手術の跡。

繰り返される推理の過程で、容疑者たちは三兄弟を軸に「首無し
死体」、「犯人」といった役割を、目まぐるしく交換していきます。


膨張していく推理、酩酊感をもたらすどんでん返しのつるべ打ちに、
「誰が誰でもええわ」と思う人もいるかもしれませんが、本作における
複雑かつアクロバティックな論理展開は、パズラーとして奇跡的な達成
といえます。


著者と同じく、クイーンを信奉する作家・有栖川有栖氏をして、
「クイーンの傑作数本分に匹敵する凝集度」と言わしめたのは、
伊達ではありません。

法月氏全長編レビュー ★★★☆☆
法月氏が双子をネタにグッリグリにこねくり回した長編がこれ。


双子の入れ代わりをもとに
あいつが誰とかこいつが実は誰とか
実は死んでたとか生きてたとか何たらかんたら・・・・・

はあ。

はっきり言って、読んでるうちに誰が誰でも良くなりました。。

これを私はXファイル現象-
(宇宙人が居るとか居ないとか延々議論し続け過ぎた結果、居ても居なくても
どっちでもいいですという気持ちになったことから転じ、議論が紛糾しすぎる内に
当初の興味を削がれ諦観の境地に至る事)
と呼んでます。

最終的な着地点もあまり居心地がよろしくない。

プロットを練りまわした苦労のあとは伺えるが上手には成功していない。

ファンならば読んでおけばいいという作品。
法月作品ではこれが一番好きです。 ★★★★☆
偏執的な執拗さがたまりません。

ただ、それが万人に受けら入れるかどうかは分かりません。


法月作品は新書、文庫で出ているものはほとんど読んでいますが、この「誰彼」が一番好きです。次点が「密閉教室」。
(つまりは初期のものか?、、、)

短編集、最新長編「生首に聞いてみろ」(2004)も読んでいますが、どれも佳作、というか決定的な面白さを感じず、「また法月綸太郎を読んでしまったか」、と感じています。
(氏独特の暗さ、閉塞的な雰囲気は嫌いではないのですが。)

何度もそう感じながらもなお新刊を待っているのは、この「誰彼」が忘れられないため、だと思います。

推理の迷宮 ★★★★★
法月倫太郎の長編3作目。前作『雪密室』が割とまっとうな本格推理だったので、この人はそういう路線に転向したのかと思っていたのですが、今作ではデビュー『密閉教室』で見られた推理の迷宮とでも呼ぶべき、真相(と思われるもの)が次々と変わっていくという技が復活しています。推理小説では双子というモチーフはよく出て来ますが、今作では3人兄弟という設定にすることによって大いに幅を広げています。3人兄弟という設定でどんなネタがあり得るかを全部盛り込んでみたという感じがします。

もう一点面白いのが、新興宗教やジャパゆきさんといった時事ネタを盛り込んでいるところ。もちろん社会派に色目を使ったわけではなく、むしろやたらと人工的な作り物であることを隠していない種類の作品なのですが、それが現実の時事ネタと接点を持つことによって、日常のすぐ裏に非日常があるような、独特の雰囲気を醸し出すことに成功しています。