光るものはある
★★☆☆☆
「リンカーン・ライム」シリーズから読み始めたので、ライム以外のこの本を読んでみた。
中々入り込めず、思いの他時間が掛かってしまった。後書きを読んで分かったのだが、ブレーク前の作品とのこと。作者が得意とするジェットコースター感も感じられず、展開も平凡な気がした。後半の数十ページは、現在の作者に通じるキラリと光るものは感じた。ライムシリーズの作者でなければ、星4つかも。
厳しかった
★★☆☆☆
どんでん返しのない作品でした。
確かに、ブレーク前ですから、こんなもんでしょう。
けど、話の途中で主人公と学習障害の娘がほとんど絡まないので、
「ディーヴァーだから…」なんて、勝手に期待しちゃって、
最後には何も起こらず、がっかりしてしまった。
全体的に悪くはない。
でも、犯人はズバリそのまんまだし、娘との交流もなく、意味不明に息子はあんなんだし、
妻は不貞に片足を突っ込んだのに、なんの裁きもなく…嫌な女…と思っただけ。
家族愛も希薄でした。息子のチャリの故障の部分も、いまいち意味不明だった。
わけの分からない、刑事だの保安官だのが多すぎて、
話の流れをつかむのもままならないまま終わってしまった。
謎解きも、「せっかくだから…」なんて、しゃべり始めるな---!!
と、不満たっぷりの作品でした。
ホント、ディーヴァー作品を制覇するつもりがないのなら、
読まないほうが幸せです。
“ブレイク”以前の、一味違うディーヴァー
★★☆☆☆
ジェフリー・ディーヴァーが『眠れぬイヴのために』や『静寂の叫び』で“ブレイク”する以前の、’93年に発表した作品である。
現在の<リンカーン・ライム>シリーズに見られる、畳みかけるようなサスペンスの連続劇とはまた一味違った人間関係ドラマが、文庫にして上・下巻あわせて773ページにわたって展開される。
インディアナ州の地方都市ニューレバノンで半月の夜に、地元オーデン大学の学生ジェニー・ゲベンが暴行を受けて殺されるという事件が発生する。そして、血で描かれた半月が町の建物6箇所に一夜にして出現した。地元新聞は1年前の女子大生撲殺事件との関連もにおわせ、犯人を“ムーン・キラー”と呼び、町は騒然としてくる。
捜査主任のビル・コードは被害者ジェニーの奔放な交友関係を洗うが、満月の夜に新たな犠牲者が出てしまった。
一方でビルには学習障害をもつ娘セアラの教育をめぐって悩みがあり、高校生になる息子ジェイミーが最初の事件の目撃者であったことがわかり、事件が彼の家族にも暗い影を落としてくる・・・。
本書は、粘り強さが取り柄のビルを中心に据えた、警察捜査小説である。と同時に、娘セアラの障害のこと、何も問題がないと思われた息子ジェイミーの突然の離反、妻ダイアンとの気持ちのすれ違い、など家族に関する懊悩が丁寧に描かれており、コード家の家族小説でもある。
また、大学内部の赤裸々な実態をえぐりだした学園小説の側面も持っている。
さらには、映画のカットバックの手法を取り入れた叙述方法をとっていたり、各章の終わりに次章につながるサプライズがあったり、そして、予測不可能な“どんでん返し”も・・・と、荒削りながら現在のディーヴァーを彷彿させるものがある。
本書は、“ブレイク”以前のディーヴァーをじっくり味わうことができる作品である。
ブレーク前の作品!!
★★★☆☆
ライムシリーズの「エンプティーチェア」の後に刊行されたため、期待して購入したのだが、じつは「ブレーク前の作品」であった。
他の作者の「ブレーク前の作品」と同様、ダイヤの原石のように光る部分はあるものの、なにぶんにも荒削り。出版社のウリは「ノンストップサスペンス」ということだが、何度もストップさせられた。
まあ、並みのサスペンス作品ということで、「ディバーの全作品読破」を目指す人以外に、あえて読む理由はないようである。
私は好きです、「死の教訓」・・・。
★★★★★
私は好きです、『死の教訓』・・・。ディーヴァーの作品はいろいろなタイプのものがありますが、「リンカーン・ライムシリーズ」から読み始めた方には「あれ?ちょっと違う」と思われるかと、思いますが・・・。友達何人かに勧めましたが皆「おもしろかった」と言ってます。もしかしたら女性向きの作品かもしれません。「ディーヴァーだ」とこだわらずに読んでみるともいいかもしれません。