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火の国、風の国物語6 哀鴻遍野 (富士見ファンタジア文庫)

価格: ¥693
カテゴリ: 文庫
ブランド: 富士見書房
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それでこそジェレイド ★★★★☆
ジェレイドの策略によって北の隣国からの侵攻が始まり、解放軍の立場が強くなる一方で北の農民達が侵略に苦しみ喘ぐと言う状況の今巻。国務大臣カルレーンが休戦協定の使者として解放軍の拠点に向かう中、北から侵略してきた傭兵から家族を守るために少数の騎士と農民が決死隊を組んで戦うという展開です。前者は半分クラウディアの独壇場になっており、ここは人によって快不快が分かれる場面だと思いますので、後者がこの巻一番の読みどころでしょう。改めて、アレス以外の戦いに関してはかなりまともに描かれている事が確認できます。非常に熱い展開です。

今回、ジェレイドの策がいかに悪辣なものかが克明に描かれる一方で、ジェレイドがどうやって農民の権利を獲得するつもりだったのかも明らかになります。今回の策によって犠牲となる人々は今までとは方向性が違いますが、ほかに方法が無ければそうした策も取ってしまうのはむしろジェレイドらしいと言いますか、大のために小を捨てる考え方はジェレイドの過去にも係わっていることなので、このスタンスを貫いてもらいたいです。ただ、「自分は最悪の罪人」という旨のモノローグが多いと、それを免罪符にしているように見えなくも無いので、その辺はもう少しうまく表現してもらいたい。

ほかにアレスの代わりにベアトリスが解放軍の拠点に留まることになったり、北の軍にも強力な魔術師っぽい人物がいたりと、相変わらず先の展開を期待させる要素を残したまま終わります。しかし、1巻からそうなんですが、口絵や挿絵に女性の裸が入るのは作者のこだわりか何かでしょうか。大した読者サービスにはなっていないと思う(むしろ露骨で若干引く)ので、もっと別な絵を入れてもらいたいです。
本格ファンタジー! ★★★★☆
読み応えのある作品で、1巻から愛読。
今回は少し目線の違う人物たちのお話で、正直ぐっとくる。
様々な勢力の様々な思惑が重なり合っていく様はハラハラしつつも引き込まれます。

でも一つだけ言いたい。実は他の方のレビューでも見かけたので、ああやっぱりそう思いますよね、と嬉しかったのですが、絶対にジェレイドに救いを与えないで欲しい。
感動とかもいらないと思う。完膚なきまでに地獄に落ちてほしい。そうされるだけの理由がある。

農民決起の理由を考えたとしても、もはや絶対に許されないところに来ている。
ジェレイドに腹を立てた方は、アレスの高潔な生き様を見て癒されつつ次巻を待ちましょう。
ジェレイドが地獄に落ちますように ★★★★☆
文句なしに面白い巻でした。
主人公はさほど目立ちませんでしたが、脇役達がカッコいい事といったら。
特に北での寄せ集め部隊の戦いは、出色の出来でした。
絶望的な状況に対しては斯く対処するべし、というお手本のような背中を見せてくれます。
弱い者がもっと弱い者を守るために、少ないリソースと僅かなアドバンテージを最大限に活用して、身を削るようにしながら粘りに粘る。
そしてその中で培われる、共に血を流して築き上げられた、出自や身分にへだてられない信頼関係。
まさに燃え展開。

こういう姿を見ると、なんだかんだ言いつつ身分に一番拘ってるのジェレイド達なんじゃないの? という気がしてきます。
彼が善意で動いてるのは判らないではないのですが、やってる事は外道の所業というか。
手段が悪辣というより、性根が悪なんじゃないかと思われる部分が少々あります。
今回、解放軍から一隊、国王軍から一隊、そしてムニャムニャ(←ネタバレにつき伏字)が一隊それぞれ北に向かうのですが、
それぞれがやった事を見ると、解放軍ってちょっと……。

ジェレイドは事が成った暁には大人しく自分が処刑されるから、他の人には手を出さないで、みたいなカッコいい事を約束してますが、
いざその時になってみれば、彼に多大な恩義や友情がある解放軍の仲間が大人しくジェレイドの処刑を見過ごす可能性はほとんどないわけで、
そうなればまたぞろ反乱、という事になりかねないから、それを避けようとしたらジェレイドを殺す事は出来なくなります。
つまり、和平交渉の中でしたその約束も反故にされる可能性が高いわけです。
守れない約束なら最初からするなよ、と私などは思うのですが、この人、誠意ってもんはあるんでしょうか。