赤の悪魔憑き全開
★★★☆☆
幼少時のアレスとクラウディアの物語がほとんど、なのですが、最後少しで物語が動きます。前巻のラストで抜け出してきたクラウディアと合流することになったアレスですが、まさにむちゃくちゃをやってのけます。まさに<赤の悪魔憑き>って感じですね。反乱軍の首の皮はつながったようですが、ジェレイドとアレスの溝はさらに深くなり、とりあえず生き延びるために死力を振り絞る男と、正論だけで生きる男はどちらが強いのでしょうか?どんどん相容れない存在になっていく二人の今後が気になります。
今後には期待できますが
★★★☆☆
ドラゴンマガジンに掲載されていたアレスとクラウディアの幼少時代を描いた短編と、書き下ろしの本編とが半分半分と言う感じ。
短編の方は本編とは打って変わって、少年騎士の成長物語という感じの話で、本編とは違った読み応えがあります。一方、本編はジェレイドとクラウディアの策で急展開。先の読めない情勢と、さらに深まるアレスとジェレイドの間に横たわる溝、さらにジェレイドがある重大な可能性に気付くという終わり方で、相変わらず次の巻への期待を残す終わり方です。ただ、アレス無双が2巻立て続けで少々うんざりもしました。ただ1人からなる無敵の軍勢なアレスだけでなく、個人の武力や正論だけではどうしようもできない事態に直面した時アレスはどうするか、というのも、そろそろ読んでみたいです。
面白くなっては来たけれど
★★★☆☆
本来、憎まれ役であるはずの卑劣漢の方に感情移入してしまった……
主人公が鬼のようなチートキャラで、ライバルもそれに対抗するようにチートキャラってんじゃ、脇役はたまらんわ。
この作品で、名もなき兵士達の鍛錬や努力や真っ当な戦術って、どういう位置づけなんでしょう。
ガンダムが歩兵を蹴散らして城壁を破壊してるのを見たらこんな気分になるのかもしれません。
頼むからチートキャラ同士だけで殴り合っててください。
あと、作者がアルスラーン戦記を読んだ事は良く判りました。
一応書いておくと、作品自体は、ラノベ平均よりは面白いと思います。作者も頑張っておられますし。
思うに、余りにも突っ込みどころが多すぎるんでしょうね。
決定的な溝
★★★★☆
制度を変えない限り貴族が農民を虐げる構図は変わらないということを理解せずただ現在の混乱を止めることだけを考えるアレスとクラウディア、農民の地位向上のためにさらなる混乱を起こそうとするジェレイド、今回距離が縮まったことで両者の溝はいっそう深くなったように感じます。ジェレイドにしても最終的な落としどころを語っていないので現在を乗り切ること以上のことを考えているのか?という疑問がわく。
ここからの成長が物語のテーマの一つなのだろうが、それには多くの犠牲が必要だろう。