一人前にするために……この一冊
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「最近の若いやつは……」ってよく聞くフレーズ。でも、若いときは我々もみんなそう言われていたんじゃない?『部下は上司を選べない』…部下たちだってきっと上司の我々をそう思っているはず。本書は著者の職務柄、大手企業の若手社員たちを多く見てきているからこそ、こういったことが言えるのだろう。若い人たちだってこちらの接し方によって変わるんだよね。若い後輩たちとどう接していくか?まずはこの本を読むことがきっと登竜門になるはず。
ティーチング、モデリング、カウンセリング、コーチングなどのOJT教育の基本的な理解もできる。部下教育で悩んでいる人、総務人事の担当者、管理職で沢山の部下を持っている人など、今の現状を知るために大変参考になる本だ。
分かりやすくて実践的
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人気講師が書いた新入社員育成のための指南書。副題にもあるように、考え方としては心理学をベースとしている。最近、仕事柄、この手の本を立て続けに読んでいるが、分かりやすく実践的という点では今のところこれがベスト。
本書では、最近の若者の思考・行動の特徴や、なぜそうなのかといった背景の事例をたくさん取り上げている。新人に接する機会の多い私にはうなずける事例ばかりだったが、日ごろ疑問に感じていた「なぜそうなのか」という点がこの本でかなりクリアになった。“いまどきの若者”とついつい一括りにしたくなる気持ちを抑え、一人ひとりの“個人”に向き合うことの大切さを説き、また実際に向き合うときのポイントが多く紹介されている。
昨今の若者についての分析・コメントは、やや厳しいと思える指摘もあったが、
その背景には、著者のいまどきの若者に対する思い ―「成長してほしい」「頑張ってほしい」「期待している」― といったものが感じられた。
ゆとり教育世代の大量入社を控え、入社後の教育現場は今まで以上に大変になることが予想される。ウチの会社も新人・若手社員の早期退職防止、教育等々と課題は山積みだ。まずは、新人が配属される部署の管理職に、この本を一冊ずつ配布してもよいかもしれない。