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白昼の悪魔 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

価格: ¥756
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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強固なアリバイの崩壊後に現れる鬼畜犯人 ★★★★☆
犯人形式が珍しい作品です。
ただし、この犯人の指定の仕方は
賛否両論ものです。
なので気の短い人が読んだら
ブチ切れ必至だと思います。

それと非常に犯人が鬼畜なのが
印象的でもあります。
とにかくポアロにはむかってくる犯人です。
ポアロに向かってくるのも珍しいものです。

ちなみにトリックは実は単純。
だけれども思いつかないトリックです。
そう、まさかという先入観を
抱いてしまいますからね。

ちなみにこの作品は1箇所のみ
読者を引っ掛ける
トラップがありますので
引っかからぬよう。



乱歩の選択は疑問 ★★★☆☆
スマグラーズ島で真夏のバカンスを楽しむ観光客たち、そしてその中のひとり、元女優のアリーナ・マーシャルが死体で見つかった。しかし、関係者たちには完璧と思えるアリバイが...という本書、作者中期の傑作と言われ、江戸川乱歩も作者ベスト8に挙げているが、どんなものだろう?

乱歩のベスト8選択について、若竹七海は巻末解説で「『三幕の殺人』だの『シタフォードの秘密』だのといった、フシギな選択をみうけられるので、あんまり権威付けにはなっていない」と記しているが、まったく同感である。

本書のトリックはいたってシンプル。上手くはまれば面白いだろうが、作者作品を読みなれた人にはそのトリックはすぐわかるだろうし、トリックが分かれば必然的に犯人もわかってしまう。

なお、タイトルの原題「Evil under the sun」は、「For every evil under the sun」(この世のあらゆる悪しきものには)というマザーグースに由来していると、マザーグース研究家の藤野紀男が矢野文雄の筆名で著した『殺(や)られるのはいつもコック・ロビン』の中で記している。

しかしこのマザーグースは、救済法があるなら精一杯努力し、それがなければさっぱりあきらめなさいという処世術を説くもので、本書の内容とマッチせず、研究者にありがちなこじつけだと思う。
アガサクリスティの読み方 ★★★★★
アガサクリスティの小説は30冊目くらいだと思いますが、本書も楽しく読むことができました。

お願いだから、あの子が犯人ではあってほしくないと思いながら読みました。

読んだ本を全部覚えている訳ではありませんが、似たような話を読んだような気もします。
忘れかけている話と、読んだ話の似た部分があるのは、同じ作家なのでありえるかもしれません。

本書は、ポアロものですが、マープルものだったかもしれません。

同じ探偵で、男女で、別々の本で、同じ犯罪を、別の空間で推理してもらうというのも面白いかもしれません。

ポアロものも、マープルものもそれぞれ10冊以上読んだので、
これが、もし、マープルだったら、誰から何を聞いて、どういう説明をするだろうかという読み方ができるようになりました。

こういう楽しみ方は、どうでしょう。

ps.
本作品の映像作品は見た記憶がないので、
自分なら、どういう撮影をするかということを考えながら読みました。
翻訳が… ★★★☆☆
とても面白いし、いい作品だと思います。
でも翻訳がひどすぎる…!たぶんクリスティの和訳作品では最悪ではないでしょうか。
若いハンサムな青年が「〜ってわけにゃいかない」「えらいこった、云々」
押し出しも立派な大尉さんが人前で「しまった、〜しちゃった」
高級リゾート地に来ているレディが「脳天をぶち割られるところでしたの」
警官は上から下まで全員江戸下町の岡っ引き口調。
ポアロに関してはまるで別人です。事実ポアロだと思わずに読みました。
登場人物のキャラクターや身分を全く考えない無茶苦茶な翻訳で、いつものクリスティの気品と含蓄ある文章を楽しむことが全くできませんでした。
犯人探しだけを楽しむ読み方なら気にならないかもしれませんが、クリスティファンとしては一日も早く新訳で読みたいと思います。



トリックはベスト ★★★★☆
原題の『EVIL UNDER THE SUN』は日の下に行われる悪事であって、悪魔な訳ではない、らしい。

久しぶりのクリスティは「こんなん?」と思うほど古典だった。
何と言っても推理の原点が「被害者の人間性」である。
被害者の人間性を知ることが真実への一番の近道である、とポアロは繰り返し演説し続ける。

『白昼の悪魔』と一緒にTV放送していた『メソポタミアの殺人』も読んだが、ここでも最大の問題点は「被害者の人間性」だ。

被害者(の女性だった。どっちも)が周囲の人に様々な異なった印象を与えている中で、本当の彼女はどんな人物だったのか?それを探れば犯人が分かるってーのだ。

ある意味新鮮だ。
ここ最近のミステリで亡くなった人の人物像などに注目されたものがあっただろうか。今の人間性アプローチはそんなやり方ではない。そもそも持って生まれた資質そのものが問題にされることなどほとんどない。今の人間性はどうやら後天的なものと決められているらしい。
階級がなくなったのが原因か、差別をなくそう運動の成果か。天性の性分についてはクリスティが分析し尽くしたか。

どっちにしても今と昔じゃ別世界だが、トリックはやはり絶品。
『復讐の女神』みたいな叙述(と言っていいのかどうか。謎の提示がはっきりしないもの)も特長的だが、クリスティはやっぱり大仕掛けなトリックがベスト。
うさぎ堂本舗 ★★★★★
地中海の平和な避暑地スマグラーズ島の静寂は突如破られた。島に滞在中の美しき元女優が、何者かに殺害されたのだ。犯人が滞在客のなかにいることは間違いない。だが関係者には、いずれも鉄壁とも思えるアリバイが…難航する捜査がついに暗礁に乗り上げたとき、滞在客の中からエルキュール・ポアロが進みでた。 ◆◇◆実はこの作品、ある事がきっかけで(「火曜クラブ」のコメント参照)、読む前から犯人が薄々わかってしまっていたのですが、それでも十分楽しめました。しっかりと組み立てられたトリックは巧妙かつ秀逸で、犯人はわかっていたはずなのに、どのようにして犯行が行われたのかを解くことができませんでした。まさに脱帽です。真夏のリゾート地の描写も素敵で、臨場感をたっぷり味わうことができました。