インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

光の雨 特別版 [DVD]

価格: ¥4,935
カテゴリ: DVD
ブランド: ハピネット・ピクチャーズ
Amazon.co.jpで確認
   連合赤軍のリンチ事件を題材にした小説『光の雨』が映画化されることになり、若手キャスト(結木奈江、山本太郎ほか)が集結して撮影に入るが、まもなくして監督(大杉漣)は失踪。彼は赤軍を同時代を生きた男でもあった。代わって、それまでメイキングを回していた新進監督(萩原聖人)がメガホンを取り、撮影は続行される…。
   高橋伴明監督が、これだけは撮らないと自分の20世紀は終わらないとの覚悟で取り組んだ社会派青春映画の傑作。立松和平の原作が劇中劇として描かれ、当時の若者たちの思想を理解できず、混乱しながら役を演じていく若手俳優たちのドラマとクロスしていく。理想を追い求めた果てが仲間同士の殺りくであったという痛恨。それは決して過去の出来事理ではなく、閉塞的現代とリンクする歴史的重要な惨劇であったことまで思い知らされる、必見の作品。(的田也寸志)
裕木奈江につきる ★★★★☆
この作品は裕木奈江を見る映画である。彼女は素晴らしい。
彼女の昔の作品はあまり知らない。その頃はドラマや日本
映画に全く関心が無かった。
が、私はこの作品を見て、裕木奈江のファンになった。

ただ、当時不思議に思ったことがある。

バブルの頃は”自由恋愛”、”翔んでるオンナ”、”キャリ
ア・ウーマン”という言葉がはやり、フェミニズムの全盛期
だったというふうに記憶している。
なのに、彼女をバッシングした一部のオンナどもは、どう
聞いても”オヤジ”くさい価値観で口撃していたと思う。

程度こそ違え、集団でひとりを吊るし上げるあの醜悪さは、
この映画の私刑に通じるものがある。

子供のイジメが社会問題化して久しいが、全く大人も大概
ひどいもので、子供のイジメを論じる前に、大人社会の
ガキじみたイジメこそ真剣に反省すべきである。その目線が
あれば、連合赤軍事件が起こった理由の一端は理解可能だ。
下界のアジトのシーン ★★★★★
森と永田の指示を仰ぐために、下山してきた坂口が二人のアジトである公団住宅の一室を訪れる場面が、相当怖い。
疲れ切った顔の坂口に対して、余裕の表情の森、そしてシャワーを浴びてでてきた永田洋子(裕木奈江)の「あら、坂口くん、来てたんだ」の一言。あの平然とした口調がホントに恐ろしい。あんなこと言われたら坂口じゃなくても絶句するだろう。リーダーの「凡庸さ」がはっきりと現れる瞬間だ。ここのやりとりを観てほしいがためにこの映画を他人に勧めている気がする。
こんな複雑な構成でいて、破綻しないのは脚本がよくできているからなのか、ま、とにかく『実録・連合赤軍』よりずっと「良い」作品であることは疑いない。
求めていた革命や総括って何? ★★★★★
この光の雨の題材になっているリンチ事件はなんとなく知っていました。光の雨を観て、仲間をリンチにかけ結果的に死に追いやってて、この人らの求めていた革命や総括って何?って心の底から思いました。
光の雨は劇中劇というやり方で見やすくはあったけど僕は原作通りに描くか事件のみをストレートに描いて欲しかったです。特に殺されたメンバー1人1人にスポットをあてて欲しかった。そしたらまた違う印象だったのに…と。(数名以外は簡単に総括を求められ殺された印象をもった)この映画で久々に裕木奈江を見ました。以前のバッシングを受けていた頃のイメージとは違い上杉(永田)役にはまってる気がします。高橋かおりが演じてた高田の総括シーンが観ていて一番きつかったです。つーかさぁ、劇中の玉井のナレーション、時々いらないと思ったシーンがあった。
劇中劇という構成が消化不良で、現代の若者との対比がいまひとつうまく描けていない ★★★☆☆
 「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」を見た後に、この作品と「突入せよ!あさま山荘事件」を続けて見た。警察側からの視点から描いた「突入せよ!〜」は連合赤軍が主題ではなく、警察内部の物語を描く題材として、あさま山荘事件が描かれているだけで、純粋な娯楽作品であった。
 連合赤軍そのものを主題にしているのはこの「光の雨」と「実録・連合赤軍」であり、「実録・連合赤軍」がストレートに事件の経過を描いているのと対照的に、この作品では劇中劇の「光の雨」という映画の中で連合赤軍兵士を演じる現代の若者たちの、連合赤軍事件と兵士たちへの思いを平行して描くことで、フィルターを一枚かけている。
 しかし劇中劇の中で赤軍兵士を演じる俳優たちの心情もいまひとつ伝わってこない。高橋伴明監督自身が一歩引いた視点から描きたかったのかもしれないし、大杉蓮扮する監督役に自己を投影していたのかもしれないが、この監督失踪のエピソードもなんとなく消化不良になってしまっており、劇中劇という構成自体は全体に成功しているとは言い難い。原作の「光の雨」をそのまま映画化したほうがよかったのではないだろうか?
 劇中の映画で山本太郎が演じた連合赤軍のリーダー(森恒夫)はただのサディストのようにしか見えなかったが、実在の森恒夫が敵前逃亡したり、逮捕後も完全黙秘できなかったりと、革命軍のリーダーとしての資質に疑問が持たれていることを考えると、このような描き方もあるのかと思った。さらに山本太郎が俳優としてこの役をどのように演じるのか判らずにいる描写があるが、山本太郎は明らかにミスキャストだと思う。「実録・連合赤軍」の森役の地曳豪が素晴らしかったのでどうしても比較してしまう。他のキャストも総じて「実録・連合赤軍」の方が良かったが、裕木奈江の演技だけが素晴らしかった。
 21世紀に入ってから10年間にすでに3本もの連合赤軍関係の映画が作られており、それなりの評価を得ている。ここまできたら、是非とも長谷川和彦監督の幻の企画「連合赤軍」も映画化して欲しいと思う。
当時の人々を[本当に]知らない世代には危険な作品 ★★★☆☆
私は全共闘が毎日、機動隊とバトルを繰り広げていた時期に小学生だった。この映画を観てこの事件は怖いと言う人が多いが、当時実際に感じたこの事件はもっと猛烈に凄惨で残酷なものだった。
<連合赤軍事件の関連記事>
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/rengou.htm
http://www8.ocn.ne.jp/‾moonston/lynch.htm (ページ中程の「連合赤軍総括リンチ事件」参照)
その頃、街に出ると外の空気は緊張感に満ちていて、テレビでは毎日のように、交番が放火・襲撃されたり、手製爆弾によって大企業が爆破されたニュースや、活動家の学生が内ゲバによって鉄パイプで撲殺されたニュースが流れていた。
この映画では、当時のニュース映像として機動隊が学生を殴るシーンはいくつも採用されているが、爆破された企業ビルの前で全身血まみれになって倒れている女性の映像などは一切採用されていない。
まだ妙なフィルターがかかっていない子供の目には、この活動に関わっていた人々の本質が徐々に透けて見えるようになった。私は高校生になった頃、すでに学生運動は終焉を迎えていた。私はこの運動に敗北し、かつて在籍していた大学の近くにジャズ喫茶を開店した経営者の店でアルバイトをしていた。さまざまなセクトの人がやってきた。店内でいつ鉄パイプで敵(この場合、国家権力ではなく、同じ極左集団だが自派とは活動方針などが異なる他の組織のメンバー)を殴打するような内ゲバが起きても何も不思議ではないような混沌とした状況だったが、不思議とこの場では中立が守られていた。
この作品の冒頭でも語られるが、彼らは本来、大いなる理想を抱いて「世界の人々が幸福に生きられる世界をつくるため」に活動を始めたはずだったが、実際に当時の彼らが行っていた事はヤクザの勢力争いとほとんど大差無いものだった。国家と戦争をするにはお笑いの貧弱な武力は、勝ち目の無い闘争の中で、ますます先鋭化して行く組織についていけなくなった仲間に向けられた。
自分らの戦力を自分らの手でそぎ落としていくのだから、その先に勝利など絶対にありっこないのだが、それさえももはや当時の彼らにはわからない。
当時、革命運動が断絶した後、敗北感や絶望感、虚無感にさいなまれて自死を選択した者も少なくなかった。しかし、当時の革命ブームに乗っかっただけの大多数の日和見ボーヤたち[それを『団塊の世代』と言う]は、早々に自己保身に走り、数ヶ月前まで不倶戴天の敵だったはずの大企業や国家組織の一員になっていった。彼らは今では定年退職をむかえ、国家や企業から従順生活のごほうびとして退職金や年金を得て、かつて唾棄すべきものと罵倒していたはずのプチブルな老後生活のプランを嬉々としてたてている。馬鹿につける薬は無い。
私は今日までこの世代の醜悪さを嫌というほど見てきたので、日本を駄目にしたのはこの世代だと絶対的な確信を持って強力に断言できる。
この作品は、この醜悪な世代がみずからの後ろめたさを弁護し、正当化するためにつくられた作品である。
だからこそ最後に原作者はどうしても、どれほど無様な形になろうが登場せざるをえなかった。「みんなごく普通の子供だった。本当はみんな良い子だったと僕は思いたい。(今を生きている)君たちとなんら違いも無い。」まさに、“馬鹿につける薬は無い”と痛感する瞬間である。
この活動の、醜悪で滑稽な象徴的存在を見事に演じた裕木奈江が良かったので星はすべて彼女のために付けた。