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メタボラ

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: 朝日新聞社
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戦記 ★★★★★
ネグレクト、DV、派遣労働、沖縄、記憶喪失、性、自殺。盛りだくさんの内容なのでいろんな切り取り方ができる作品だと思う。わたしは沖縄の戦争を生きた老人の言葉から、「今日本で起きている戦争」を描いていると思った。毎年小さな町1つ分にあたる3万人という人が自殺していくこの国で起きていること。それはまぎれもなく、戦争と同じだ。戦場で敗れていく若者たちを描いた戦記だ、という感じがぴったりくるような気がしました。
沖縄の青い空・海 そして 重いテーマ ★★★★★
最近、桐野夏生ファンになった私は、ついに文庫をすべて読み終えてしまい、このぶ厚く重い『メタボラ』を読むことになった。

カッコに標準語の意味を書いていてほしかったと本気で思ったくらい、「オゴエッ(うわっ)」「ズミズミ(とてもとても)」「ゆんたく(おしゃべり)部屋」「フラー(馬鹿)」といった、連発する聞いたこともない言葉がたくさん出てきて、最初は非常に戸惑った。でもそれだけ、沖縄、離島の宮古島が独自の文化を持った地域ということを感じることができた。

記憶喪失の無一文で、ひたむきに生きようとするギンジ、そして宮古島の青い空と美しい海に囲まれ、経済的に恵まれた環境で育ったアキンツ。対照的な2人の生き方や考え方は異なるが、2人が抱える葛藤(ギンジは家族に手をあげる父親、そこから子どもを捨てて逃げてしまった母親、新しい人生のスタートを切った順応性の高い妹:アキンツは好きなのに振り向いてくれない元同級生の愛、愛のことをデリヘル嬢にしても平気なギンジへの憎悪、自分を大切にしてくれないギンジにいつまでも執着している愛、そしてそんな愛に囚われている自分など)、共感できる部分はたくさん描かれていた。


桐野作品を読んできて、読後、初めて涙が流れた作品だった。ピュアで素朴なアキンツが好きだったし、「磯村ギンジ」として新たな人生を切り開いたギンジにも今度こそ幸せな生き方をしてほしかったので、このラストは本当に悲しかった。
ギンジとジェイク ★★★★★
最近は桐野夏生さんばかり読んでいる。「メタボラ」以外の数作品を読んだだけでも、桐野作品の女性陣は強かさを持っているのだなと分かる。 桐野さんの小説を読んで他の作家と違うと思う点は、私の読書傾向からもよるのであろうが、登場人物が易々と「いい人」に流れていかないという点である。どこまでいっても、人間臭い毒の持続を失わない。それが、読んでいてもアクセントにはなりこそすれ邪魔にはならないのが、やはり作家としての技量なのかなあと思ったりもする。というか桐野作品の場合、毒が要でもあるのだろうけれども。 さて、「メタボラ」。主な舞台が沖縄で、主人公的と言える人物は二人。 沖縄というと、優しげな人ばかりというある種の偏見があったりするのだが、そこは心配ご無用桐野作品、という感じでもある。例えば、主人公間であってもすぐにお金を貸さない。例えば、不細工より美人へ移る情のほうが大きい。など、作品世界を構成する価値観というものにも細やかな神経が配られていると言ってよい。そういうところから受ける刺激が、病みつきになる一つの原因であろう。
……また話しがずれ込んだ。「メタボラ」、読み終わってから私は泣いた。レビューによっては、希望が見えたと書いている方もおられたが、私はどうしてもラストで逼迫を感じられて仕方なかった。長編だからこそなのか、長く関わった主人公たちがやけに心に残った。短編小説とはまた違った、桐野さん独特の疾走感で後半は本当に夢中で読んだ。
ストーリーを持つ中国人労働者 ★★★★☆
結構いいテンポで読み進めることができて面白かったです。
桐野さんにしては性的描写って全然なかったです。

印象に残ったところ。
後半でとある工場にて働く中国人労働者。同じ場所で働く日本人は休憩しているのに、彼らは休まない。
自らすすんで残業をこなす。創意工夫して仕事の能力を磨きあげている。
時給が日本人よりも低く設定されているということもあるが、
彼らには日本で稼いで家族を養うという使命、つまり劣悪な労働環境の中でも、
頑張っていけるだけのストーリーを持っている。

同じところにいる日本人労働者との一番の違いはそこなんだろう。
一昔前だと日本でも「金の卵」という言葉があったように、
労働にストーリーがあったように思います。
日本という国が成長して成熟したという事なのかもしれません。
物足りなかったです! ★★☆☆☆
『桐野夏生が新境地に挑んだ最新長編小説』

と言う紹介文を読んで楽しみに手に取った1冊だったけれど…

桐野作品は全て読破しているけれど個人的にこの作品は苦手な部類です。

沖縄を拠点に置き数々の方言・記憶喪失・ネット自殺・ボランティアetc
様々な要素が溢れているけれど、それらがまとまっていない感じ。

読後感もなんだか今ひとつかな…

やっぱり桐野作品は女性を中心に描いて欲しい。