第二次世界大戦前夜の満州。
日蒙の混血児ウムボルトの数奇な運命を描く、
歴史ロマンの六巻目。

安江大佐の特命で上海に赴いた主人公ウムボルト。
彼は昔、偽トロツキーとして出会ったはずの亡命ユダヤ人
ブロンシュティンの人相確認を求められる。
ブロンシュティンを見ることでウムボルトは、昔出会った
トロツキーが偽者であったことを確認するが、

日本軍に協力することを心良しとしない彼は
安江大佐に嘘を付く。

上海からの帰路、再び工作員ジャムツと出会った
ウムボルトは、錦州で変わり果てた麗華に再会する。
拷問により思想教育を受けた麗華を
取り戻そうとするウムボルトであったが・・・

川島芳子・李香蘭・山家中佐が登場する本巻は、
佳境に入る物語と、

舞台となった魔都上海の雰囲気が相まって
五つ星の出来である。