本巻で主人公ウムボルトは関東軍の口添えで入学した建国大学を飛び出し、自らの出自を追うため、一時故郷に里帰りをする。故郷で彼は反日運動に身を投じるジャムツと銀巴里の歌姫麗花と再開、日本の特務機関に追われる。
そしてその旅の最中、ウムボルトは日本人の父親と新疆・トロツキー・出口王仁三郎との並々ならぬ因縁を知ることになる。
ラスト、トロツキーを建国大学に招くという秘密計画に危険を知りつつ足を踏み入れ、自らの運命に立ち向かおうと決心するウムボルトの潔さが美しい。