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虹色のトロツキー (8) (中公文庫―コミック版)

価格: ¥660
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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ノモンハンに散る・・・ ★★★★☆
第二次世界大戦前夜の満州。
日蒙の混血児ウムボルトの数奇な運命を描く、
歴史ロマンの最終巻。

ノモンハンの地で主人公ウムボルトは、建大恩師辻権少将と再会する。
辻少将から興安軍支援のため伝令を頼まれたウムボルトは
ウルジン将軍の許に向かい、その途中、
通遼から抜け出してきた麗花とも再会を果たす。

ウルジン将軍は独断で興安軍救出に向かう。
その道程、その動きを制止せんとする関東軍の中に
花谷大佐がいた。花谷大佐の口から、
ウムボルトは亡き父の殺害された真相を聞くことになった。

ウルジン将軍の尽力で、興安軍は別部隊とその任を変わることとなり
ウムボルトは後詰を命令される。
そこにソ連軍の総攻撃が始まり、そしてウムボルトは・・・

本最終巻において物語を貫く謎が明らかとなる。
しかし運命は皮肉にも主人公たちを大団円ではなく
悲劇へと導いていく。ここが神話的物語であった
『アリオン』との最大の違いであろう。
人の一生で切り取れば、物語としては尻切れトンボの印象が拭えない。
判ってはいても、物語としてのカタルシス
はやはり欲しい、必要なのではないかと考えて四ツ星。