「メジャーに行って丸くなったとは言われないと思う」という卓球の発言に反してさすがにインディー盤で使ったような大ネタのサンプリングも荒削りな初期衝動の勢いもないので、当時は味気なく感じました。でも今客観的に聴いたら、メジャーでこんな曲と歌詞でリリースした事はけっして「丸くなった」とは言えないということが分かりました。
内容は、前作の雑食性は減りハウス寄りの音でまとめられていて、テクノの要素も少なくやや地味な印象。
1と10は再録。2も人生時代の曲。
特筆すべきは4のラストの瀧の「ニャンパラリーン」。この「ニャンパラリーン」はすごい!力みすぎず、かと言って脱力しすぎることもなく絶妙な「ニャンパラリーン」。これほどまでの「ニャンパラリーン」は過去に聴いたことがないです。瀧ならではの名人芸。この「ニャンパラリーン」を聴くためだけに買っても損はしません!
とは、言えないけど電気のルーツを聴きたい人にはおすすめの一枚です。
このCDは3人目のメンバーCMJK色が強いと感じます。CMJK氏はこのCDとTMネットワークとのコラボCDの2つで活躍後脱退し、その後砂原良徳氏が加入しています。
このCDに傘下しているCMJK氏脱退後のUFO/砂原良徳氏脱退後のVOXXが、どうしても何かが欠け迷走しているように感じられませんか?
たしかに電気のコアは、絶対に石野卓球氏とピエール瀧氏であることは間違いないですが、電気の良さはこの2人にある種の雑音としての第三者(CMJK氏、砂原氏)が絡んだだときに初めて発揮されるように感じます。
このCDの各曲はライブ等でご存知の有名曲が多いです。電気のようなエレクトリックな曲は音源等機材の進化の都合上、贔屓目に見ない限り古い曲はどうしてもチープに聞こえてしまいます。本CDも若干そういうところはありますが「Flash PaPa メンソール」以後の輝きの原点は、「UFO」や「Karateka」よりも一層感じられます。