神話や英雄伝説の題材を織り込み,そこにゴート族の伝承やフン族の歴史などを絡めて,全体が無理のないストーリーとなっています。
この素晴らしい傑作を今は名前も知られていない詩人が作ったということに,また驚かされます。
全く本を読まない僕の弟(19)に,この本を薦めてみたところ,あっという間に読み終わってしまい,日頃の鍛錬が足りないため補えぬ読解力を,あれこれ質問でカバーしていました。推薦人冥利に尽きるというものです。
中世文学は、現代人にとっては取っつきにくいものが多いかもしれないが、この『ニーベルンゲンの歌』は現代人の鑑賞にもかなり堪えると思う。相良守峯氏の訳も格調高くかつ読みやすい。
たりと、残虐のかぎりをつくす。その戦いがこまかに描かれるが、とにかく
多くの人が名乗りをあげて闘い、討たれていくため、誰がどうなって、誰が
どちらの側の者なのか、かなり読んでいて混乱してくる。しかし、悲惨な話
であるわりにおもしろく、韻文なのですいすい読める。読みやすくおもしろい
必読の名作。