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レイシズム (思考のフロンティア)

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
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レイシズム批判事始 ★★★★★
第一章では人種差別主義の定義を、
第二章では言語が人種差別主義を生み出す過程を説明しています。
そして第三章では人種差別主義の具体例を
永井荷風の『悪感』から取り出しています。
「当然とされていること」に「なぜ?!」を投げかけることで
人種差別主義を支える言説システム全体を大きく揺らすことが
できる、と熱弁しています。
日本に「人種差別」なんてないと思っている方は必読! ★★★★★
『レイシズム』。そうはいっても、今の日本に「人種差別」なんてそれほど認められないのでは?などというぼくの甘すぎる思い込みが、本書の「はじめに」でのっけから突き崩されました。目から鱗を何枚も落としてくれる刺激的な本です。

第一章で「新しい人種主義」とその差別のメカニズムを理論化し、第二章で差別を言語システムの側面から洗い直し、第三章で人種差別主義言説でありその対抗言説でもある永井荷風の「悪寒」が分析されます。

個人的にとりわけて啓発的だったのは、脳科学の知見(!)やフロイトを援用した差別のメカニズムの解析、エリクソンの「アイデンティティー」概念(の普及)が暴力の記憶を抹殺したことを指摘した第一章第三節、めまいがするほど明晰な第三章「悪寒」の言説分析です。

そして、単なる批判に終始せず、人種差別主義への対抗策―「疑う」という愚直に見えるがまっとうな戦略―をしっかり打ち出している点でも評価できると思います。

論理展開がやや込み入っているので読むのに少し苦労するかもしれませんが、得るものは非常に大きい一冊だと思います。お勧めです!