メロウなエレクトリックピアノと爽やかなアコースティックギターのゴージャスな競演
★★★★★
もう四半世紀前のアルバムになりますが、今聴いても新鮮ですね。
古くからオーディオ関係に携わっていますが、このアルバムを聴いて
胸がときめいたものです。
このアルバムが発売された時期がLPレコードからCDへ切り替わる過渡期だった事も
あって強烈に印象に残っています。
ボブジェームスのエレクトリックピアノにリードされる様にアールクルーのギターが
冴え渡ります。
特に最初の一曲目のKARIは録音も良くドラムスのパルシブなサウンドと低くチューニング
されたフロアタムにはある種の定番チェックアルバムと化してました。
最初CBSソニーから発売されていた頃にはプリエンファシスがONとなっていた事もあり
高域のSN感が良かった記憶があります。
内容はボブジェームスとアールクルーが共同プロデュースしたといった感じで
ボブジェームスとアールクルーの良い部分が溶け合って見事に調和した作品に
仕上がっていると感じます。
当時最先端であったであろうアナログテープでのマルチトラック録音にありがちな
ノイズの動きが2曲目の冒頭でわずかに気になるものの十分に今でも通用する
サウンドですので聞いた事が無い方は是非聴いてみると良いと思いますよ。
エレクトリック・キーボードとアコースティック・ギターのプレミアムブレンド、しかもビンテージ!
★★★★★
アコースティック・ギターで一世を風靡したアール・クルーとエレクトリック・キーボード満載のアレンジでこれまた一世を風靡したボブ・ジェームスのコラボレーション・アルバムです。後にもう一枚出ますが、こちらの方がいろいろな意味でお勧めです。
アール・クルーはデビュー当時、ボブ・ジェイムスのライバルであるデイブ・グルーシンの秘蔵子でした。デイブもエレクトリック・キーボードを駆使するアレンジャーですが、そのアレンジはアールのアコースティック・ギターを引き立てるための控えめなものでした。そのおかげで、アールのギターのシンプルなメロディの魅力に気付かされた様な気がします。
本アルバムのボブのアレンジでは、アコースティック・ギターとエレクトリック・キーボードは渾然一体となっています。かと言って、アールのギターが埋もれているわけではなく、充分に前面に出ています。アールの左指がフレット上のナイロン弦を滑る音まで聞こえるのですが、それが逆に何かのエフェクトに思え、アコースティック・ギターであること忘れしまいそうな不思議な感じがしたのを思い出します。