人間ーこの素晴らしき存在
★★★★★
人間とはこんなにすばらしい存在でもありうるのだと、得心させてくれる一書。
絵を描くことと川に入ってヤマメを突くことが大好きな小学生の心平は学校では授業中も絵ばかり描いて先生を困らせ、放課後は川にまっしぐらに飛んでいく。純真の化身のような小百合は耳が聴こえず言葉もほとんど話せないが、物心つく頃からいつも一緒に遊んでいた心平とだけは言葉を介せず自由に話ができる。この二人の雨鱒との不思議な交流、慈愛に満ちた秀二郎爺ちゃや小百合の婆ちゃの暖かさ、小百合が好きでたまらず、心平につい意地悪するのだが、小百合に「エー、ちゃん!」と訴えかけられると二進も三進も行かなくなる英蔵ー自然と人間との豊かな交流に満ちた日々が過ぎ、やがて青年時代がやってくる。
後半は語らぬ方がいい。クライマックスの意外な展開は迫力・説得力満点。英蔵の血の出るような決断には、「お前は男の中の男だぞ!」と抱きしめてやりたくなる。
最後に、著者・川上さんに言いたい。ー心平と小百合はどう未来を切り開いていくのですか?英蔵は傷心からどう立ち直っていくのですか?あなたには、二人の未来に心血を注ぐ責任がありはしませんか?
映画化されて気になったので....
★★★☆☆
買って読んでみました。
純愛ですね。確かに。その点はやっぱり癒されます。
自然ていいな〜と活字を見てても大自然が浮かび上がってきます。
話の内容は、結構読んでて退屈になります。なんか長いのです。話か長々しすぎててあんまり展開がないまま進んでいきます。
純愛と自然を感じながら読んでいるので、気持ちも純粋になれる気がします。それでも....。
それと、本の裏に書いてある「あらすじ」みたいのを読んで、その本を読むか決めますよね?
なんと、その裏に書いてある「あらすじ」で本の3分の2を説明してしまっていすのです。
普通は、序章だけ説明すると思うのですが?出版社の問題か、それても3分の2まで展開がほとんどない本自体の本題なのか...。
とにかく、これにはショックでした。
読む方はストーリーよりも癒し重視で読んでみてください。
まぶしい情景描写。
★★★★☆
訛りがあるので登場人物の心情が読み取りにくいかもしれません。
それにもかかわらず舞台が目に浮かぶような内容は魅力的だと思います。
実際ありえない話かもしれませんが
それを不自然に感じる作品ではありません。
2部構成ですが主人公が劇的に変化を遂げないというのも新鮮です。
極めてストレートな
★★★★★
恋愛小説であり、青春小説である。耳の聞こえない小百合と、唯一彼女の言葉を完全に理解できる少年、心平の物語。一部は少年時代、二部は十八歳と少し大人になった彼らを描く、二部構成。
こんなベタベタな設定でいて、いつの間にか物語に引き込まれている快感。相当な実力がないとかけるものではない。
一部、二部は少年のピュアな心が、少し大人になって現実と向かいあわなくてはならない、と言った対比。まぁ、主人公連中たちはわがままとうつるかもしれないが、何故かいつのまにか精一杯応援してしまった。すごかった。
純愛?
★★☆☆☆
前半はよかったか後半はがっかり。二人の行動は純愛というよりも単なる我儘にしか思えなかった。離れるのが嫌だから逃げて物語が終る、というのは納得がいかない。
せめてもう少し二人の精神年齢み上げて世間のことを学ばせてから二人で生きるかどうかの決断をさせて欲しかった。
唯一好きになった登場人物は時子。彼女だけが人間らしいと感じた。