古きよき探偵ものだが、終始爽やかである
★★★★☆
主人公のキャラクターが魅力的。38歳、結婚して娘もいるが別居中で、別に美人の彼女がいる。そして他の女にも目移りしながらも事件を解決していく。遠山の金さん、シティーハンターなど、普段は3枚目だけどやる時はやる主人公に惹かれる人は多いと思う。僕もその一人だ。
柚木草平!
★★★★★
柚木草平は38歳。フリーのライターをしている元刑事です。
主人公はもう中年と言ってもいいのに、何故か爽やかな青春ミステリー小説として読めます。
登場する女性はみなさん魅力的で、ハードボイルドを気取る主人公は、とても惚れっぽいという三枚目具合が読んでいてとても微笑ましいです。
樋口有介という作家のトレードマークと言うべき洒落た会話。
やっぱりこの作者さんの小説は面白いですね。
モテル三枚目
★★★☆☆
柚木草平シリーズ。
元刑事で、今は刑事事件専門のライター。
38歳、妻と子どもと別居中。
会う女、みんな可愛い。
全部恋しちゃう。
そんないい加減な男だが、
なぜか憎めないし、
モテテしまう。
警察が追わない事件なんかを、
小遣い稼ぎに探偵業。
女子大生が、交通事故で死んだ。
その死を不審に思う姉は、
草平に事件を探る依頼をする。
なんだか違和感のある依頼だったが、
調査が、進むにつれ、
不審な点が見えてくる。
そして、
そんな折に第二の殺人事件が起こる。
推理を楽しむというより、
草平の適当さと、
人間関係の複雑さを楽しむ感じでした。
ハードボイルドになりきれない、
三枚目だけど持てちゃう男。
なんか、
それだけで、楽しいよね。
柚木さんにはまりました!
★★★★☆
ロマンティストでハードボイルド。
美人に弱くて、心がつねに揺れてしまう。
こんな柚木さんの人生、うらやましいようでうらやましくない。
でも、嫌いにはなれないんですよね。
いまどきハードボイルド
★★★☆☆
1990年に講談社から出た単行本(1993年に講談社文庫)の復刊。
柚木草平シリーズの第1作。
いまどき珍しい正統派ハードボイルド。台詞回しも文体も、誰もが思い浮かべるとおりの調子である。主人公は強がっているけれど、実は傷つきやすい。女性を見れば、気障な台詞を吐く。最初はパロディか何かだと信じて疑わなかったのだが、著者はどうやら本気でハードボイルドを書いているらしい。びっくりした。
1990年に書かれたということはさておき、作品としては良く出来ている。トリックがややもたついた印象だが、描かれる世界、犯罪、社会性と、いずれも一定の水準をクリアしていると思う。
タイトルのセンスはどうかと思うものの、登場する女性も魅力的であった。
新本格ならぬ、新ハードボイルドというところか。