アニメ版より良い
★★★★★
アニメ版では描写不足だったキャラクターの心情が丁寧に描かれています。特にステラやアウルが死ぬシーンの心理描写には号泣しました。あの破綻した脚本をこんなにも良い小説に仕上げるなんて、著者の後藤リウさんは凄いですね(笑)。
第三巻―読者は誰とすれ違うか―
★★★☆☆
第三巻の主な内容は、アスランと旧友たちとの再会と決裂、
エーゲ海での激戦、ベルリン炎上そしてステラの死です。
おそらく第三巻で読者の間でシンへの評価が分かれることになるでしょう。
確かに純粋でやさしく人間的に温かい少年ではあります。
しかし、戦争のない世界を目指す“フリーダム”を見せつけられた後、
自分勝手で独善的なシンを見れば「“ミネルバ”の中でのエース」
という単純な図式が現われるのではないでしょうか。
読者の中にはシンとの視線がすれ違う方もいることと思われます。
さて本書はアスランの思考の変遷と悩みが深化していく過程がよく描かれていると思います。
「もっとも近しい者たちであるはずなのに、このとき彼らが星々よりも遠く見えた」(81頁)
との表現は非常に詩的に彼の内面を明示していると思います。
シンに関して言えば、エーゲ海でアスランが機体を失って以降、
シンはアスランを軽蔑するようになります。
その様子は悪魔的な恐さがありました。
個人的に抵抗を覚えたのはエーゲ海におけるオーブ軍による敵艦への突撃です。
「国やその理念のために命を捧げた」として多少美化しているように感じました。
確かに所属する集団・共同体を命に代えて守る行動は否定できません。
ですが、戦死したその人の家族はどう思うのでしょうか。
「意志を受け継ぐ」などと甘い言葉で無視せず、
個人の観点から戦争での死を真剣に考えてもらいたかったです。
【単純だが強力な力を持つ言葉】
「・・・・・・でもね、大切な人がいるから世界も愛せるんじゃないかって、私は思うの」(313頁)
四者会談〜ステラの戦死まで
★★★★★
一応、アニメ版で言えば、四者会談〜第32話までを小説化したものになります。
本編のアニメ版シナリオ解説は省略させて頂きますが、いくつかのレビュアーの皆さんが書いてある通り、本当に小説版では、アニメ版のみで理解しきれなかった部分やキャラの心情等が自ずと分かりますので、これは是非お勧めです!!
一応、追加点としては・・・
・アウルの死の際に、消されたステラの記憶が蘇りかけた部分を描いた点
・最初のページになりますが、アスランとハイネの数少ない会話部分を描いた点
etcです!!
アニメとは分けて読んで下さい
★★★★★
あの最後までよく分からなかったアニメの小説版。正直言って、これは良いです!アニメとは全然違う。まず、キャラの心理描写がとても良いです!まず、ステラの心理描写。彼女は、アニメではデストロイ搭乗時に、アウル、スティングの記憶を消されていましたが、小説ではしっかり覚えています。そして最期のシーンでの彼女の描写は、人間らしいものでした。アニメでは消化不良でしたが、小説ではこのシーンで泣けました。次にアウル。アニメであっけなく死んだ彼の最期、その時の心理描写が最高でした!ここも泣いたシーンでした!最期まで他人のことを心配していた。アニメではそんな感じは微塵もしなかったことも手伝い、本当に泣けるシーンでした!そしてネオ。彼は、アニメでも三人のことを思う発言はしていましたが、小説ではそれがより鮮明でした!そしてスティング。彼も兄貴分よろしく、所々にその兄貴らしい描写がありました。他の方でいくと、トダカ一佐。最期の時、ミネルバに詫びる心境だったところが、非常に泣けました。総合的に見ても、これはおすすめです!DVDに無駄な金使うよりは、絶対にこっちを見ることをおすすめします!
読む価値多いにあり!
★★★★★
この小説はかなりお薦めです!レベルが高いですね!
キャラが行動起こす為の最低限の心情がちゃんとかかれていてアニメの矛盾が解けます。
「すれ違う視線」の回はさまざまなキャラの心情が行き交っていて面白かったです!ただ小説なので仕方ありませんがルナマリアの心情を入れてほしかったです。彼女の心情はアニメでは全然分かりませんでしたから。
オリジナル話も私的には大好きです。原作とちょっと違った面白みがあって良いですね。
下はプチネタバレです・
アウルの心情は読んだ時は胸がいっぱいになりました。
「らしく」て「「寂しいな」」のところには思わず涙・・・・
ステラの「「だっていつも会いに来てくれるから・・」」には号泣
強化人間がいかに物語りに必要だったか分かります(すみません。変な書き方で)
皆さんも是非買って見てください。