存在とは、学び取るもの。
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いかにも奇想天外な話であり、コミカルですらありますが、深い意味が隠されています。意志で存在する、透明の騎士。存在しているのか、存在していないのか自分でもわからない愚者。
存在しているくせに、しょちゅう変わるために平民に呆れられてしまうお殿様。人間の存在とは何なのか、考えさせられる一冊です。最後の平民の言葉がいい。「わしらだって、自分たちがこの世の中に生きているってことが分からなかった・・・。存在していることだって、学びとるものなんですよ・・・」。現代人の、自分や他者への存在感の持てなさという問題にも
つながるすばらしい本です。装丁もあざやかで美しい。
こんなにすばらしい本なのに、なぜか解説が信じられないくらいつまらないのはナゾです。