シンプルなロックサウンドと飾らない等身大の歌詞で人気を集める男性3人組ロックバンド、TRICERATOPS のビクター移籍第1弾アルバム(通算5作目)。
自分のペースで未来に羽ばたこうとメッセージする<1>、2020年の自分や未来への希望をつづったスローナンバー<2>のヒット2曲に加え、アグレッジヴなギターがカッコいい<11>(ベースの林幸治がヴォーカルを担当)、ドラムの吉田佳史が歌うミディアムチューン<12>など、各メンバーのソロ楽曲も収録。じっくり落ち着いたミディアムロックを中心に素顔の魅力を感じさせてくれる。(武村貴世子)
でも名盤です。
★★★★☆
実はこのDAWN WORLDとこのひとつあとのアルバムLicks&Rocksあたりから、自分は一度トライセラから離れてしまった。
それがなぜだったのか、いまだにはっきりとしたことは言えない。
でも、ROCKなの?POPなの?メジャー商戦どうするの?という世間や周辺の風当たりがどんどん強くなっていって、そういった周囲のTRICERATOPSというバンドに対する期待と、TRICERATOPS自体が向かっていこうとする方向性の齟齬がいよいよ大きくなってきていた時期だったのかも知れない。今思えば。
今のトラセラはそんなところはホントにほんとの意味で突き抜けたから、こんな質問自体が無意味であることは自信を持って言える。
でもDAWN WORLD前後のトライセラは、ひょっとしたら彼らの中でもかなり迷っていた時期、いろいろな面で戦っていた時期だったのかもしれない。
そういった苦悩がこの頃の曲からは滲み出てきているような気がして、リアルタイムで聴いていた自分には辛すぎて聴き続けられなかったんだ。たぶん。
ところが数年後、LEVEL32で彼らの音楽に対する変わらない姿勢と、その一方でひと回りもふた回りも成長した音楽性に再開して、やっとこの頃の曲を安心して聴くことができるようになった。
そして気がつくとここ2〜3年はもうずっと自分のiPodの中で1〜2を争う再生率の高いアルバムになっている。
模索しながらも彼らの創り出した楽曲が決して妥協の末にできたものではなく、むしろ彼ら独特のこだわりの末に出来たものであったこと。そのため当時は不安定さや陰といったイメージが強く印象づけられてしまったのだということ。。。それが、今ならよくわかる。
メロディアスな珠玉のナンバーたち。なんとも揺らぎの心地良い、いいアルバムじゃないか。
きっとついて行けてなかったのは、自分も含めて当時の周囲のほうだ。
個人的に全体を通すとどうしても?な構成の部分があるので、惜しいけど星は4つ。でも名盤。
衝撃的
★★★★★
音楽で衝撃を受けた数少ないうちの一つ。
こんなすばらしい作品に出会えたことに感謝。
今彼らよりも売れているミュージシャンよりも才能もテクニックも上だと感じる。
もっともっと評価されてもいいと思う。
何にせよトライセラトップスでこのアルバムが一番好きだ。
ただこれぞトライセラ!というアルバムではないのでトライセラ初心者には不向きなアルバムかな。
これもトライセラ
★★★★★
このアルバムは自分がトライセラにハマるきっかけとなったアルバムだ。
とにかくFLY AWAYが素晴らしくって。この高揚感ただものではない!全アルバムでこれほどスタートが素晴らしいアルバムはない。
今でもこの曲は一番好き。
またこのアルバムはトライセラいちポップで穏やかな曲調の曲が多い。
でもこういうトライセラもいいと思う。
この次にあんだけのアルバム出すわけだからね。
結構耳障りのいい曲が多く、捨て曲もない。
特にFinallyが秀逸。だが問題はラスト。
なんでラストにリックスみたいなロックナンバーもってくるのか?
これが非常に残念。Finallyだったら感動的なラストだった。曲は好きなんだが。
こういうのやるならむしろポップに統一すべき。
とはいえ、いろんな意味で好きなアルバムなので愛情で☆5
心に響く
★★★★★
レコード会社をソニーからビクターに移籍し ビクターからリリースされた最初のアルバムです。
トライセラは3人ですが、このアルバムは「3人で鳴らすロックサウンド」にこだわっていません。
基本はバンドサウンドなのですがギター・ベース・ドラムの他に色々な音を加え、じっくり作りあげられたアルバムです。
ですからトライセラのアルバムの中では異質な印象を受けるアルバムだと思います。
このアルバムから感じることは 非常に肩の力が抜けて、リラックスした状態で作られたんだなということです。
前作とは気分的にもだいぶ変わった感じがします。
いろんな音を重ねてありますが、派手になるという感じではなくむしろ非常に落ち着いています。その点が前作とは大きく異なります。
このアルバムを聴いて和田氏のソングライターとしての才能はやはり凄いなと思いました。
特にビクターからの第1弾シングルとなった「2020」はトライセラの中でも屈指の名曲だと思います。
再評価求む!
★★★★★
評価の低さに驚いた。
総合的な完成度は彼らのアルバムの中でも1、2を争うほどであるというのに。
また、このアルバムのすごいところは、完全にポップスに徹している点にあると思う。
初期コステロやビートルズ等を思わせるアレンジを敢えてわかるようにコピー&ペーストした結果、多種多様な印象の曲が並び、そこに和田唱の甘美なメロディが存在することで、至上のポップス空間が出来上がっている。
こうするにはある程度の勇気や覚悟が必要だったはずだ。
彼らはこのアルバムでこれまでやってきたストレートなロックを故意に崩すことにより、新たな活路を見出そうとしたのではないか。
最後にトライセラらしいダンスビートのナンバーを持って来るあたりに、特にそんな意図を感じる。
現にこのアルバムを機にTRICERATOPSは迷走から抜け出した感がある。
現在のTRICERATOPSを考えた時、この作品は改めて評価されるべきだと思うのだが。
買って、聴き込んで欲しい。