他人事の批判では何も解決しない
★★★★☆
普通の若手小学校教師の物語。
生徒と教師の熱血学校ものを連想すると結構裏切られる。
特に教師が普通の青年として描かれており、
登校拒否するのは生徒ではなく先生だったりする。
学級崩壊、モンスターピアレンツ、先生のレベルダウン等
小学校教育はマスコミを中心に何かと悪く言われる。
世間的に悪く言われれば先生も学校も卑屈になる。
大人が卑屈になると多感な子供たちはすぐそれを感じ、
それが結果としてまた問題がおこる悪循環。
ウチの子に限ってという我が子だけを信じるのではなく、
子供たちを信じること。
そして同じ人間として子供たち、教師、両親、そして社会(マスコミ)が
共感し信じあうこと。
これこそが本当の教育改革になるのだと思う。
学校批判、先生批判、PTA批判、酒の席などで皆したことがあるだろう。
でも全て他人事だ。
他人事で批判したところで解決策なんて出てこない。
皆で共感すること。子供たちの共感力は我々大人よりはるかに凄い。
他人事の批判を猛省し、歩み寄るべきは我々なのだろう。
そんな事を考えさせてくれる一冊。
教師は「仕事」なのか「生き様」なのか
★★★★★
教師という仕事を考えると、
「人の将来の灯台」となるべきかと考えてしまいます
でも、現場はそれほど聖人であれるはずもなく、
種々の業務に追われてしまい、
そこまで子どものことも見れないのが現状です
そういった中でも信念を通し続けることが
本当にできるのか
それが出来てほしいという想いから、
この物語が生まれたのではないかと思うわけです
これを読めば、今の教育現場に希望が持てるのではないでしょうか
頑張れ、先生!
IWGの学校版
★★★★☆
タイトル通りです。
主人公のりょうた先生がマコトで、同僚の染谷先生がキング。
石田衣良の小説は、泣けて、笑えて、考えさせられて、ストーリーも面白くて好きなのですが、
染谷先生が、りょうた先生のクラスのことを褒めて、「子供達に共感力が育っている」という意味の
ことを言っているのを読み、実は私は、人間にとって一番大切な素質は、共感力ではないかと思っているので
石田衣良も同じなのか、それで、私は石田衣良の小説が好きなのかも、と思いました。
そんなに熱血とは思わなかった
★★★☆☆
タイトルからするとすごい熱血な先生が主人公で
金八やGTOさながら熱いセリフとかクサイセリフとかあるのかなと
思って読んでみたらそれほどでもなかった。
面白くないことはないんだけど、平凡な「教師モノ」といった印象をうけた。
しかし、小学校の先生ってやっぱりしんどそうだ
面白かった!でも…
★★★★☆
「リョウタ先生のような教師に出会いたかった。」 これを読みながら何度も考えたことだ。 この物語に出てくるのは、どこの学校にでもありそうなごく普通の問題 …とまではいかないが、うちの学校でももしかしたら、と考えてしまうようなリアルな出来事。 学校で起こった事件を、ごく普通の教師、リョウタ先生が解決していく。 さっぱりとした小説ではあるが、最後の話は個人的にはどうも納得いかない。 テストの平均点を上げるために生徒同士で協力するが、その中で生まれる小さな綻び。 リョウタ先生ならもっと「スパッと」解決してくれると思ったのに。 作中でも山岸先生が言っていたが、どうも「らしくない」。 結局最後まで問題の根本に触れることなく「クラス競争からの離脱」という結末に不満を感じた。 エピローグで上手くまとめていたが、何か丸め込まれた気がした。 とても面白かったから、残念でならない。