濃密なコンセプチュアル・アルバム。
★★★★☆
1972年、この時期(〜1974年)イギリスでは、プログレでも、ハードロックでも、
あらゆるバンドの最高傑作が続々発表される。
そしてアメリカでこのアルバムがリリースされる。
作品に込められた熱情や集中力が半端じゃないので、
何かをしながらBGM的に聴くことはできない。
しょっちゅう部屋に流れる音源ではないけれど、何かの拍子に、
アルバムの中の印象的なフレーズ(2曲目の舞い降りてくるようなE・ギターなど)が浮かんできて、
CDプレーヤーにかけ、この音楽世界にひたる。
作曲者のクレジットを見ると、意外なことに、カルロス・サンタナの名が少ない。
この種のアルバム(やバンド)にありがちなように、
メンバー間のぎりぎりの緊張感が、名演奏を生み、名盤が産み落とされる。
『キャラバンサライ』も例外ではなく、この後、主要メンバーが脱退、
1回性の神秘的な火花のような作品。
カルロスサンタナではなくサンタナの、でも名盤
★★★★★
意外に知られていないのだが、ギタープレイの多く(ほとんどではない)が後に脱退するニール・ショーンのプレイである。SGのやや籠もった音に対しニール・ショーンはレスポールのリアピックアップをメインに使っているので若干音かシャープである。またフレーズもビートのノリがやや違う。
だかニールはカルロスの、カルロスはニールの影響を受けちょっと聴いただけでは区別がつきにくいものになっている。そしてその融合がこのアルバムを名盤に仕立て上げたといえるのではないだろうか。
音楽は自由だ
★★★★★
つい最近、ウッドストックの映像を初めて見ました。
当時はまだレコードデビュー前で、サンフランシスコの地元で
有名なライブバンドだったそうだけど、最初から凄いバンドだった
んだね。
キャラバンサライはそれから3年後ぐらいの作品で、かなり
プログレッシブになっているものの、相変わらず自由な拍子と
構成で予定調和なんて知らないという態度が清々しいです。
かなり複雑なのに聞きやすい。メロディーラインがきれいだから
でしょうか。
ラジオで聞いた「宇宙への歓喜」の一節が気になってレコードを
買ったのがきっかけで、フュージョンからジャズからボサノバから
何でも聞けるようになりました。
自由な音楽に目覚めさせてくれた一枚です。
神・サンタナ
★★★★★
クラプトン、ベック、ペイジの「三大ギタリスト」にリッチー・ブラックモアなどを頂点として、多くのギターファンに崇拝されているギタリストは相当な数だろう。多くのギター・キッズは「誰々はウマイが誰々はヘタ」とか「テクニックでは誰々がNo1」などといった比較をしたがるものだ。
しかしこのサンタナは、そういった比較検討の対象から外れた存在というイメージが強い。
ロックというよりはサンバを軸にしたラテン系の音楽作りを行なってきた事自体が異質と言えば異質ではあるが、とにかく天地を揺るがすようなダイナミックな演奏とバラッド曲での粘り付くような太くて官能的なギターは他のギタリストにはない独自の音空間を構築しているからだ。まるで宗教の域まで到達したかのようなラテンビートの楽曲ではコンガとドラムスの雨のようなビート合戦が繰り広げられるが、それを聴いているだけで体が熱くなって行くような感覚に襲われる。原始的とも言えるビートが持つエネルギーに麻痺させられてしまう中、サンタナの官能的なギターに耳を奪われない人はいまい。
決して目新しい事をやっているわけではないし創造性に富んだサウンドでもないと思うが、この密度の濃い濃密なサウンドの上で繰り広げられる変幻自在のギタープレイを聴くと、他のギタリストの奏でる音楽がやけに小さく感じてしまうから不思議。つまりサンタナは、彼らと比較など出来ない存在なのだ。まさに「神」である。
「Song Of Wind」は昔ニッサンの車のCMに使われていたように記憶している。砂漠をひた走る1台の車を遠くから映した映像にサンタナのギターがかぶるそのCMの映像は、いまだに脳裏から消えていない。これも「サンタナ・マジック」なのかも。
ラテンロックたる由縁
★★★★★
同じレビュアーが何通も投稿するなっつうの。サンタナはラテンロック言われる事に関しては怒っていないよ。ラテンミュージックの大きなくくりに入れられるのは心外だと言ってるだけ。それと、何だアフリカンロックって?そんな言葉ないよ。それ、アフガニスタンロックってのと変わらないでしょ?
何だよ、アフリカンロックって(笑)勝手に作るな!
ちなみにアルバムはサンタナの最高傑作だと思います。オープニングを聴いただけでそれは分かります。