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緑の光線 (エリック・ロメール コレクション) [DVD]

価格: ¥5,040
カテゴリ: DVD
ブランド: 紀伊國屋書店
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愛すべきイヤ汁女 ★★★★☆
『喜劇と格言』シリーズ第5弾はいままでの作品群とはちょっと異なる趣向が特徴だ。パリで秘書として働くデルフィーヌが、一人ぼっちに耐え切れずバカンスで訪れた避暑地を転々とする。『飛行士の妻』ではパイロットの不倫相手にふられ気のない年下の男につきまとわれる不幸なOL役だったマリー・リヴィエールが、本作品でも泣きっぱなしの孤独な女性を演じている。基本的には美人顔なのに、幸薄そうな雰囲気を漂わせるマリーにはまさにもってこいのキャスティング。<知り合う瞬間に決定的な行動をとれないでいる>ひっこみ思案のデルフィーヌは、男どころか動物も食べられない?菜食主義者という設定だ。

親戚の家に泊まっても、夏スキーができそうな山小屋を訪れても、避暑地の海辺で波とたわむれても、なぜかデルフィーヌは浮きまくり。彼女の周りに配した、素人同然のエキストラ風役者たちが、デルフィーノの孤独感を盛り上げるのに一役も二役も買っている。ロメールの金をかけない演出がここでも功を奏している。そんなデルフィーヌが夕暮れの海辺で耳にした“緑の光線”のうんちく話が、いつのまにかDr.コパのラッキーカラーみたいな扱いになっているのも強引といえば強引だが、よさげな男の前で涙を流しながら素っ頓狂な声をあげるデルフィーヌがどんだけ孤独に悩み苦しんでいたかがよく伝わってくる。

プライドが邪魔して異性と気軽に会話もできない女。酒井順子氏みたいに開き直ることができればどうってことのない負け組人生も、孤独にとびっきり弱いデルフィーヌにはきっと耐え切れなかったにちがいない。深遠なテーマを秘めた哲学的な映画にも、たわいもないロマコメにも思えるロメール作品は、いつも評価する時に困ってしまうのだが、この『緑の光線』に関していえば、愛すべきイヤ汁女が最後にやっとこつかんだ幸せを素直に祝福してあげたい1本だ。
太陽が放つ最後の光 ★★★★★
フランス人って唯我独尊・超個人主義と思っていましたが、

意外と繊細という事をこの映画で知りました。

ナイーブな独身女性を等身大で描いていて共感する所が多々あるのではないでしょうか?

太陽が放つ最後の光、日没時の気温や湿度や光や諸々の条件がそろって

はじめて見ることが出来ます。そうそう見られない自然界の化学反応を見てみたいです。
スンダードです。 ★★★★★
この作品はスタンダード・サイズです。ヴィスタで御覧になったのでしたら、それはスタンダードがかけられない劇場で御覧になったからでしょう。
ロメールは基本的にスタンダード・サイズの作品です。
最新作「アストレとセラドンの恋」では劇場がスタンダードをかけられないところが多いのを考慮して、1:85サイズのフィルムにせっていして、両脇を黒をいれスダンダードになるように工夫していたりするほどです。
それとこの作品は16ミリを35ミリに変換しているためこのような画質になってしまいます。
ですので、サイズに関してはこのDVDは問題はないです。

せめてヴィスタサイズに ★★★☆☆
他のロメール作品のDVD同様、オリジナル画面は1.66:1ヴィスタサイズなのですが、DVD(以前のLDも)は1.33:1スタンダードサイズにトリミングされています。さらに、最後の光線は、デジタル処理で「着色」しています。「光線の加工」は止むを得ないとしても、「画面サイズ」はそのままして欲しいものです。作品自体は傑作です。全編ロケ、自然光を活かした撮影が綺麗で(この点でもDVDはイマイチ)、これぞ“ヌーベルヴァーグの世界”です。緑の草木、青い海、それに当時フランスで流行った赤の衣装、さり気無く見せるセンスの良さを感じます。
人生を考えさせる映画 ★★★★★
故佐藤真監督のベスト1の作品です。
この映画の魅力はデルフィーヌが泣く場面のいたたまれなさと、そこにいたるまでに交わされる家族やともだちとの「普通」のやりとり。デルフィーヌは4回泣くのですが、そのたびに、誰もが体験したことのある無力感、絶望、孤独を否応なく思い出させられてしまいます。それまで交わされる会話に感情の起伏がほとんどないことが、デルフィーヌの嗚咽を際立たせています。役者たちは、演技していないような演技をしています。普通に食事しているグループを、普通に撮ったかのようなシーンが収められています。

「緑の光線」の意味はジュール・ヴェルヌの同名の小説から。日没後放たれる緑色の光を見た者は、人の気持ちが分かるようになるというのです。

今日、日没を某病院の窓から見ていましたが、橙色の光線しか見えませんでした。
人の心は、分からないほうがいいかもしれません。