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漂流物 (新潮文庫)

価格: ¥370
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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日本の小説家の一時代 ★★★★☆
かつて日本の小説家とは、ここで彼自身が告白して見せているような職業だったのかもしれない。
作者自身と一緒に、作者の業(ごう)と向き合う作業に参画すれば、いずれ自身と向き合う、よすがとなるだろう。
人間を知る? ★★★★★
本書を読んで、人間の本質を知ることができるであろう。レールの上を走る人生、そこからはみ出す人生など人様々です。ここでは、レールの上をはみ出している人を扱っている。どの登場人物も『人間そのもの』と感じる。人間を知るには、やはり「私小説」が人間の深部を表しているので興味深い。どの短編も興味深く読んだ。「人生が終わった人が、人生をはじめた」ということばが興味深かった。人生は死まで終わりはないのである。
車谷の世界 ★★★★☆
好き嫌いがはっきり分かれる作家でしょう。本作も人間の弱いところ、だらしない部分に響いてきてしまう。自分自身を見つめ直す際の試験紙のような役割を果たす書であろう。私は逃げも隠れもしない。車谷によって提示される、自分自身を見つめなおさせる著作を読み続けてやる。決して大ベストセラーなんかにはならない作家であるが、興味を持たれたあなた、自分自身と「対決」してみては。
不思議な空間 ★★★★☆
 
私小説であり、幻想的なメルヘンでもあり、読み進むうちにふと気づくと完全に「車谷」ワールドに引きずり込まれている自分に唖然とする一冊です。現実の社会から剥離して漂う作者の諦観とエゴが独特の世界を作り上げています。

会社になじむ事が出来ず、ドロップアウトして流れ着いた堺の料理屋で出会った「青山さん」の特異な独白をめぐって浮き上がる「私」のデラシネを描く表題作。
 
少年時代に、宝物のように思っていた、「世界爬虫類図鑑」をめぐって、過去と現実を行き来する自分をクールに描く、太宰治を連想させる「めっきり」。等

作者の持つ幻想性とニヒリストとしての矜持が味わえる一冊です。
「つげ義春」系が好きの方には「星5つ」かも・・