原田知世のヴォーカルは、ヒーリング系といわれる優しい響きが印象的だ。約2年ぶりとなるこのアルバムは、70年代に人気を集めた洋楽のカバー集である。サウンドプロデュースにゴンチチを迎え、心地よいギターサウンドも存分に楽しめる内容だ。ボビー・ヘブの<2>、サイモン&ガーファンクルの<6>、ランディー・ヴァンウォーマーのヒット曲<3>など、全8曲を英語詞で歌う原田の声は、ゴンチチの2人ともが「生の声の美しさ」を評するほど、癒しに満ちている。(名村さえ子)
夏の定番
★★★★★
今年もまたこのアルバム登場の季節になってきた。アコースティック・ギターデュオ“ゴンチチ”とのコラボで製作された夏向けのLight & Smoothなカバー曲が並ぶ好アルバムである。
「企画モノ」的な作品で、“正規”のアルバム(最近で言えば『Music & Me』『My Peaces』)などに較べればアルバムそのものの質感は劣るものの、決して安普請な作りにはなっていない。バックの演奏がアコギだけ、あるいはそれプラス キーボードという事で、全体の浮遊感を危惧したのだろう、原田のVoの力感を出すためにVoをかなり強めに録っているのがわかる。よって他のアルバムのどれよりも原田のVoは前面に出ている…という工夫がされている。トータル・サウンドが軽い楽曲が多い中でVoを強く録る…という手法は、一歩間違えると全てを台無しにしてしまう危険性があるわけだが、このアルバムはそこのバランスを絶妙に保っている事が素晴しい。
このアルバムでの原田のVoを聴くと、日常的に聴き込んでいると思われる楽曲とそうでもない楽曲があるのがよくわかる。キャロル・キングの「You've Got A Friend」やパティ・オースチンの「Say You Love Me」での歌いまわしなどは、本人が楽曲を良く理解し歌い方に特に工夫をこらしている様子が伺える。ラスト曲「That's The Easy Part」は力感溢れるVoが聴けるものの、もう少し歌い込んでいれば違った歌唱も披露出来たのではないかと思う。
しかし全体的な作りは狙った仕上がり通りとなっており、多くの人の「夏のBGM」の定番となってもおかしくない上等な作品である。
さわやかな癒しの声の、70Sのカバーアルバムです
★★★★☆
デビッド・ゲイツ(ブレッド)の永遠の名曲「イフ」、ポール・サイモンの「スカボロー・フェア」、キャロル・キングの「きみの友だち」(ミリオンヒットさせたのはジェイムス・テイラー)、など、60S後半〜70Sの美しいバラードナンバーを中心に、癒しのひと、原田知世さんの清楚で美しいボーカルがカバーしています。
アルバムタイトルどおり、夏のそよ風のような、爽快な気分でリラックスできる、まさに好アルバムです。少々惜しまれるのは、英語の発音で原田さんのせいのわけはなくこれは製作者の問題なのですが(日本人にカバーさせるのは無理があるとおもいます)、原曲を聴きなれてそれがもう空気のようになっている70Sファンや、出張で米国などにすまれたかたなどには、ききずらいかも。。。原田さんの超ファンの私でもすこし辛かったので。。。それ以外のかたには文句なく星5でしょう。
原田さん自身の、シンガーとしての力量は、ちっともりきんでなくて逆に力がぬけて、うまくなったなあ、の一点で、声質ともども、いやされてしまう、貴重な女性シンガーへの進化をぞんぶんにみせています。
謙虚に心の奥に響く声
★★★★★
アイドルだった頃は見向きもしなかったのですが、ユーミンのトリビュートアルバムで「チャイニーズスープ」を聴いてうなりました。
ユーミンの中でもキワモノ的な曲を上手くこなしており、同姓同名の歌手が他に居るのかとさえ思いました。
それで、いくつか彼女のアルバムを集めましたが、このアルバムが選曲も良く一番好きです。
彼女より歌唱力があったり、声が綺麗な歌手は沢山いると思うのですが。
そういうのとは別次元で、何の違和感も無く彼女の世界に入れ、聴いている間は安心感に包まれる。
昔、純情臭さがうっとうしかった同級生が久しぶりの同窓会ですっかりイイ女になっていた嬉しさ。
でも、清楚な雰囲気は少しも失われていない。
Ann Sallyより tomoyo harada !
★★★★★
FMでたまたま聞いて、はまりました。
原田知世という人が、どのような方かよく知りませんが、これはゴンチチが
好きな方にも本当にお勧めできるものです。
ジャンル的には、間違いなくjazz vocal (こうすると売れなくなるのかもしれませんが・・)
全編 透明感のある歌声と、見事なギターアンサンブルで、特に
Just When I Needed You Most / How Deep Is Your Loveの 2曲は
自分にとって夏の定番になりました。
原田知世のCDは、ほかにのもいくつか聞きましたが、これが彼女のbestだと断言できます。
皆さん聞いてみてください。そして、その結果続編が出てくれることを期待してます。
これは聴く価値があり!
★★★★★
知世さんと同世代の者です。
「原田知世って、最近はコマーシャルで見かけるくらいだけど、どうしているのかなあ?」と、「時をかける少女」での記憶でほぼ止まっていました。
知りませんでした、独自の音楽活動をずっと続けていたんですねぇ。
このCDだと例えば、"You've got a friend"を聴いた時には、「約15年で人はここまで進歩を遂げられるものなんだ」と、聴き入ってしまいました。
発音はネィティブには一歩隔たりは感じられるものの、それを補って余りあるものがあります。(まあ、ネイティブと聴き間違えるほどの日本人歌手を私は知りませんが。NHKなどで歌う超ベテラン歌手でも「もう一歩」と感じますしね。)
繰り返し聴くと、素人の私でも、いろいろな声や歌い方を使い分けていることが分かります。
最後の曲が、ちょっと寂しい感じの曲なので、「どうしてこの曲を終わりにもってきたのかな?最後の曲としては少し合っていない気がする」とは思いました。(あくまで素人の意見ですが。)