想像力を刺激される恐怖
★★★★☆
古典的な怪奇小説という感じで、表現がグロテスクなタイプの怪奇小説が苦手な私には、
とても興味深く読めました。
私は、刺激的な描写や表現等に走りがちな感じのする現代の怪奇小説より、
むしろ古典的な怪奇小説の方こそ、想像力が刺激されて怖いように
感じます。私が特に印象に残った作品は、以下の作品です。
「ポドロ島」
この傑作選の中で一番好きな作品です。
不朽の名作だと思います。
私はこれで、ハートリーのファンになりました。
アンジェラの発想も怖いし、
そして作品中で感じる
得体のしれない何かも怖ろしいです。
じわじわとくる怖さ。
「船を見ぬ島」
永遠という名の、責め苦といった所でしょうか、
何か重苦しい恐怖を感じさせる話です。
「人狼」
後世のあらゆる人狼小説の、
先駆けとなった作品という事で、
古典的ながら、なかなかぞっとするものがあります。
「人間嫌い」
男が振り返った時の「私」は、
どんな顔をしていたのでしょうか。
恐ろしいのは人間?
「こびとの呪」
鮮烈かつ、不気味なイメージが強烈な作品です。