幻想の世界へ
★★★★☆
フランスには、怪奇小説というものはないという事で、
確かに怪奇小説というか、幻想小説といった方がいい感じで、
怪奇小説が苦手という人にも、おすすめだと思います。
作風は、シュールリアリズム的?なものや、
幻想的なものまで様々です。
「ギズモンド城の幽霊」
幽霊が出ると評判の、スペインの古城を訪れる
兵士三人組。
オペラのような感じのする話でした。
「草叢のダイアモンド」
奇怪な出来事が起こる時には、黄色く光る蛍。
美しく悲しい散文詩形式の話。
「解剖学者ドン・ベサリウス」
こればぞっとします。まさに怪奇小説という感じ。
「死女の恋」
フランス版「牡丹灯籠」?のような感じでした。
人ならぬ者とは思えない程艶っぽい、
クラリモンドの描写が、印象的でした。
「仮面の孔」
まさに、幻想舞踏会といった感じの作品。
「フォントフレード館の秘密」
これも、怪奇小説になっていますね。
魔術に傾倒する伯爵の、奇怪な散歩スタイルもいいです。
他にも、サド、メリメ、モーパッサン、アポリネール
など文豪達の作品も並んでいます。