健康心理学の概説書としては十分
★★★★☆
表題からは、嗜癖を扱った書物かと思って読んでみると、健康心理学の啓発書であることが分かる。内容は読みやすく整理されており推薦できる。レビュワーには、米国の肥満者の描写が印象に残った。私も日本で肥満と言われる人と渡米したことがあったが、その本人が米国の肥満は凄すぎると言っていたのを思い出す。
肥満が、格差の反映とならないような方略が大切であるとの著者の意見も同意できる。
部分的にですが、とても勉強になりました。
★★★★☆
主な内容は、
健康知識に関しての考察、
禁煙、過食、ストレスなどについてです。
「健康心理学」の視点で書かれています。
第1、2章の、
「健康習慣」と「医療」については、
読んでいてあまりピンときませんでした。
個人的に勉強になったのは第3章「習慣を変えるための心理学」です。
健康を維持するための“習慣”という視点としてだけでなく、
勉強などにも応用できそうな内容でした。
ダイエットをしようと考えている人には、
第4章「食の健康心理学」も参考になるかも知れません。
食べ過ぎないようにするにはどうすればいいのか教えてくれます。
(実際にその通りになるかはわかりませんが)
第5〜8章では、
「ストレス」「こころと健康状態」
「病気の心理と行動」「健康な社会づくりをめざして」と続いていきます。
ストレスの定義などは、
素人にとってはどうでも良いことで、
「そんなことより、結局はどうすればいいんだよ!」
と言いたくなります。
“健康知識”の格差によって、
知識のない人の健康が脅かされているため、
教育の重要性を繰り返し説いています。
この本を読んでみて、
健康について少し考えてみようという気になりました。
全体としてはイマイチですが、
部分的にはとても勉強になりました。
評価としては星4つです。
やめられない人におすすめ
★★★☆☆
不健康で不摂生な生活から脱出したい人はこの本を読んで生活習慣を改善しましょう。健康的な生活を送っている人にとっては退屈極まりない本です。
喫煙か過食か、などテーマを絞って書かれたほうが良かったのでは?
★★★☆☆
深酒、喫煙、過食。
現代に生きる我々はやたら退廃的なるものに囲まれ、それを排除して生活することの難しさに、
既に抵抗を諦めているかのようだ。
そんな読者に贈るはずの、健康心理学の草分である著者によるこの本、学生相手の講義のようで、
今一つの感じ。
段階的変化モデルによると、無関心期、関心期、準備期、実行期、維持期があるという。
例えて言うなら、この本を読むからには、読者はすくなくとも関心期以上のステージにいるはずだ。
私は、そのステージをひとつ上げてくれる様な本であると誤解をしていたようだ。
読者層の想定が不十分で、結果、論点が散漫になっているのではなかろうか。
ちょっと残念。
節制する人、節制を薦める人にお薦め
★★★★★
医療の場で、コンプライアンスがアドヒアランスと変化していく時、心の病理的な側面に焦点をあてた臨床心理学より、心のポジティブな側面つまり建設的で積極的な側面に焦点を当てた健康心理学が必要とされるようになる。その、そこそこ25年程度の歴史しか持たない健康心理学についての入門書です。
病気を診るのではなく、その背景にある患者の心と身体をみるための手法や考え方が記されていて、なるほどなと頷ける分析や理論が掲載されています。
喫煙、飲酒、肥満などに対する個人の心の状態も端的に示しているので、これから節制する人、節制を薦める人にもお薦めの本です。